相手に「問題」を指摘するときの伝え方|会話のコツ⑦

上司は部下に対して、業務上の注意や問題の指摘をしなければならないことがあります。否定的な指摘をすると、部下は気分を害して不機嫌になったり、自分を守ろうとして話を全く聞こうとしなくなる場合があります。注意や指摘を相手に素直に聞き入れてもらうことは、思いのほか難しいことです。

相手に「問題」を指摘するときの伝え方

こちらの思いを伝え、聞き入れてもらうためには、「伝え方(態度)」が重要です。

たとえば、遅刻をした部下に注意するとしましょう。本人は反省していますが、ここで例えば、

『君はそんなふうに時間にルーズだから仕事もできないんだぞ』

『時間を守れないやつは社会人として失格だ』

などと、怒りにまかせて遅刻したことだけでなく、能力や人格までも否定してしまうと、相手は指摘された内容を素直に受け入れることができなくなるでしょう。

部下に改善してもらいたいのは、あくまで”遅刻”に関することです。感情にまかせて不必要な批判までしてしまい、部下との関係を悪くしてしまうケースは意外と多いのではないでしょうか。

「行動のみ」にしぼって伝える

では、相手に注意や指摘を聞き入れてもらうためには、どのような伝え方をするとよいのでしょうか。

その効果的な方法のひとつに「問題になっている行動のみを指摘する」という伝え方があります。「行動のみ」というところがポイントです。

上司の目からみて部下の性格や勤務態度など普段から気になっていることがあるとしても、起こっている問題と直接関係のない話であればそのことには一切触れず、改善してもらいたい問題行動のみにしぼって伝えるということです。

先の部下の遅刻の例では、たとえば、

『遅刻は困るので、何とか協力してもらえないか?』

というように、”遅刻”のみに焦点を当てて伝えるのです。

穏やかな口調で、短い言葉で伝える

そのときに、責めるような口調ではなく、ゆっくりと穏やかに話すと、部下はより聞き入れやすくなるでしょう。

その他にもいくつかポイントがあります。

・周りに人がいない所で(他の人に聞こえないように)伝える

・できるだけ短い言葉で伝える

このように伝えると、部下の心理的な抵抗を小さくすることができるでしょう。

要点のまとめ

今回は少し要点が多いので、ここでもう一度まとめておきましょう。

人に問題や間違いを指摘するときは、

・問題行動のみを指摘する(関係のない話を織りまぜない)

・周りに人がいない所で伝える

・穏やかな口調で、短い言葉で伝える

このような伝え方は上司と部下の関係だけでなく、夫婦関係、親子関係などでも有効です。

相手に何か指摘したいときは、ぜひこの方法を試してみてください。

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「傾聴」について
良好な人間関係を築くために大切なこと

<会話のコツ①>
アドバイスをしたくなったら要注意!

<会話のコツ②>
「あいづち」は相手の言葉をそのまま返す

<会話のコツ③>
「うなづき」はゆっくり、大きく、深く

<会話のコツ④>
常に目を見て話すより、大事なときだけ目を合わせる

<会話のコツ⑤>
落ち込んでいる相手を無理に励ます必要はない

<会話のコツ⑥>
相手が良い報告をしてきたら、一緒に喜んであげよう!

<会話のコツ⑦>
相手に「問題」を指摘するときの伝え方

<会話のコツ⑧>
「あなたが悪い」は禁句。善悪の判断をしてはいけない!

<会話のコツ⑨>
相談を受けたら「聞き役」に徹する。余計な口をはさまない!

<会話のコツ⑩>
会話がスムーズに進む技法「リフレクション」