相手が良い報告をしてきたら、一緒に喜んであげよう!|会話のコツ⑥

「悩みごと」を持ちかけられたときの話し方、聞き方のポイントについてこれまでお話ししてきました。今回は、相手が「良い報告」をしてきたときの接し方についてです。

相手が良い報告をしてきたら、一緒に喜んであげよう

相手が「良い報告」をしてきたときに上手に聞くポイントがあります。

心理学のひとつである「アドラー心理学」では、部下や子どもの意欲を高め、前向きな行動を促すためには「勇気づけ」が必要だと考えます。「勇気づけ」で大切なことは、「部下が仕事で結果を出した」「子どもの成績が伸びた」という場合に、その”結果”について褒めるのではなく、結果を出すために頑張った”努力”を共に喜ぶということです。結果に結びついた「努力」に対して『うれしい』『良かったね』『がんばったね』という気持ちを相手に伝えるのです。

一緒に喜ぶと、信頼関係も高まる

たとえば、子どもが勉強を始めても、いつもなら10分もすれば放り出すのに『今日は1時間も頑張った』と親である自分に報告しにきたとしましょう。そのとき『そうなんだ、がんばったね!お母さん(お父さん)もうれしいな!』と、努力したことを一緒に喜ぶのです。

人は、大切な人に喜んでもらえると前向きな気持ちになります。これは親と子の関係だけではなく、会社の上司と部下の関係でも同じです。

結果を出した部下を褒めるときも、

『すごく頑張っていたからなぁ。自分もうれしいな!』

というように伝え、部下と一緒に喜んであげるとよいでしょう。そうすると、部下はさらに前向きに頑張るようになり、お互いの信頼関係も高まっていくでしょう。

「わたしの気持ち」を伝える

この会話の技術には、ひとつ大切なポイントがあります。

それは、子どもや部下への返答に、「お母さんも」「自分も」というように一人称の主語”わたし”が入っている点です。これは「アイ メッセージ(I message)」と呼ばれるもので、”わたし”を主語にして「喜び」を伝えることが大切なポイントになります。

二人称を主語にする「ユー メッセージ(You message)」では相手に対して押し付けがましくなるので、一人称の「アイ メッセージ」が好ましいのです。

このような伝え方を意識すれば、自分の気持ちが相手に素直に伝わります。アイ メッセージで”わたしの気持ち”を伝え、結果よりも”努力”をともに喜ぶ。このポイントを覚えておくとよいでしょう。

(次ページ)相手に「問題」を指摘するときの伝え方


「傾聴」について
良好な人間関係を築くために大切なこと

<会話のコツ①>
アドバイスをしたくなったら要注意!

<会話のコツ②>
「あいづち」は相手の言葉をそのまま返す

<会話のコツ③>
「うなづき」はゆっくり、大きく、深く

<会話のコツ④>
常に目を見て話すより、大事なときだけ目を合わせる

<会話のコツ⑤>
落ち込んでいる相手を無理に励ます必要はない

<会話のコツ⑥>
相手が良い報告をしてきたら、一緒に喜んであげよう!

<会話のコツ⑦>
相手に「問題」を指摘するときの伝え方

<会話のコツ⑧>
「あなたが悪い」は禁句。善悪の判断をしてはいけない!

<会話のコツ⑨>
相談を受けたら「聞き役」に徹する。余計な口をはさまない!

<会話のコツ⑩>
会話がスムーズに進む技法「リフレクション」