アダルトチルドレンの「回復の方法」とは?

アダルトチルドレンの「回復」とは、どのような状態なのか?

アダルトチルドレンが「治る」とは、どういうことでしょうか?

どのような状態になれば「治った」といえるのでしょうか?

それは一言でいえば、

「人間関係に苦痛を感じなくなる」

ということでしょう。

人間関係に苦痛を感じなくなると、

「人の目が気にならなくなる」

「自分の正直な気持ちを話すことができる」

「我慢をしなくなる」

「自分のやりたいことができる」

といった変化が起こります。

要するに、人に対して「怖くなくなる」「緊張しなくなる」ということです。

問題や悩みがすべて無くなるわけではありませんが、

ネガティブな感情に振り回されることは少なくなるでしょう。

アダルトチルドレンから回復する「5つのステップ」

「楽に生きる」とはどんな感じなのか、今は想像できないかもしれません。

ここで紹介する方法を実践していくことで、

少しずつ「楽に生きる」という感覚を取り戻すことができます。

それでは「回復の5つのステップ」を具体的に見ていきましょう。

ステップ①|過去の思いに触れて、受け入れる

過去の思いに触れて、受け入れる ⇒「グリーフ・ワーク」

グリーフ(grief)とは、大切な人を亡くしたときに起こる「深い悲しみ」という意味の言葉です。

「グリーフワーク」では、たとえば次のようなことをします。

・子どもの頃に親に言えなかったことを言葉にしてみる(実際に言わなくてもよい)

・親に手紙を書く(実際に送らなくてもよい)

子どもの頃のことを振り返り、失ったもの、

手に入れられなかったものへの「悲しみ」を表現するのです。

そうすることで、悲しみや喪失感を受け入れていきます。

生活の中で昔のことを思い出すことがあれば、日記のように書き留めていくことも役に立つでしょう。

ステップ②|過去から現在までを振り返り、気持ちの整理をする

過去から現在までを振り返り、気持ちの整理をする ⇒「ナラティブ・セラピー」

ナラティブ(narrative)とは、「物語」という意味の言葉です。

「ナラティブセラピー」とは、カウンセラーの助けをかりながら、

幼い頃からの生い立ちを振り返り、自分の人生(物語)を再構成していく心理療法のことです。

自分の人生(物語)を再構成していく中で、

過去の出来事や自分自身を見つめ直し、違った角度から自分を見ることができるようになります。

そして自分自身の本来の個性や強さを取り戻していきます。

ステップ③|自分の思い込みに気づき、変えていく

自分の思い込みに気づき、変えていく ⇒「認知行動療法」

「認知行動療法」とは、物事のとらえ方や考え方を見つめ直すことで、

気持ちや行動を変えていく心理療法のことです。

アダルトチルドレンの人は、完璧主義やマイナス思考など、

物事のとらえ方や考え方にクセがあることが少なくありません。

それらを自分の中で見つめ直していくことで、考え方のクセを修正することができます。

人は、自分の持っている「思い込み」によって苦しくなります。

大切なことは、自分の考えていることが「現実」でも「真実」でもない、と気づくことです。

それを繰り返すことで、自分の持つ「思い込み」を手放していくことができます。

ステップ④|自分の正直な気持ちに気づき、表現する

自分の正直な気持ちに気づき、表現する ⇒「アサーション・トレーニング」

アサーション(assertion)とは、「適切な自己表現」という意味の言葉です。

「適切な自己表現」というのは、

「自分も相手も、どちらの気持ちも大切にしたコミュニケーション」ということです。

アダルトチルドレンの人は、自分の言いたいことが言えず、我慢をして相手の要求を聞き続けます。

そして我慢の限界をこえると、今度は逆に、相手の言うことを「全否定」してしまったりします。

「アサーション・トレーニング」では、自分の気持ちを適切に表現し、

相手の気持ちも理解して尊重できるようなコミュニケーションの方法を学びます。

ステップ⑤|親との関係を見直す

自分の心の中に居る親(インナーペアレンツ)とどのように向き合い、

どう折り合いをつけていくかはとても重要です。

幼い頃は誰でも親を中心とした生活を送ります。

そして親の価値観や考え方を自分の中に取り込みながら成長していきます。

アダルトチルドレンの人は、厳しい家庭環境の中で、

親の否定的な価値観や考え方を取り込み、親の言いなりになりながら成長します。

そして「親のことを優先し過ぎて、自分のことが分からなる」といったことになります。

そのような親子関係から抜け出すためには、

自分の人生と親の人生の間に「境界線」を引く必要があります。

「責任」を明確にするための「境界線」です。

あなたは「親の問題」の一部を(自分の問題と思い込んで)肩代わりしてきましたが、

それを親自身に返していくのです。

親のために生きるという「親が主役」の人生から、

自分のために生きるという「自分が主役」の人生へと物語を作り直していくのです。

そうすると、自分の人生の中であまりに大きな存在となっていた「母親(父親)」が、

自分の人生というドラマの中で「ただの登場人物の一人」に変わっていきます。

親が自分の人生に影響力を持たなくなるのです。

回復は「一進一退」少しずつ進んでいく

ここでお話ししたプロセスは、決して簡単なことではありません。

過去を振り返り、子どもの頃のつらい思い出を見ていくのはとても苦痛なことです。

親に対する怒りや悲しみで、感情が大きく揺さぶられることもあるでしょう。

不安が大きくなり、症状が悪化することもあるかもしれません。

アダルトチルドレンの回復は「一進一退」です。

良くなったり悪くなったり、必ず波があります。

時間をかけて少しずつ取り組んでいってください。

そうすれば、着実に前に進むことができます。

親の支配によって奪われた「自分で生きる力」を少しずつ取り戻すことができます。

ここでご紹介した「5つのステップ」を参考にして、自分らしい人生を歩んでいってください。