「何をやっても楽しくない」と感じるアダルトチルドレンの人はとても多いようです。
なぜ、そのように感じるのでしょうか?
その理由として、子どもの頃に「楽しい」と思える経験が少なかったことが関係しています。
楽しい経験が少ないのは、アダルトチルドレンの人にとって
「嫌なことを我慢をしてやる」ということが当たり前のことだったからです。
楽しめない理由①|ポジティブな感情を抑圧する
アダルトチルドレンの人は「楽しい」と感じることが全く無いわけではありません。
けれども「楽しい」といったポジティブな感情を感じたときに、
無意識のうちにその感情を抑圧してしまいがちです。
ポジティブな感情を抑圧してしまうのは、
「楽しいことの後には必ず嫌なことがある」
という子どもの頃の経験に基づいた「思い込み」があるためです。
楽しめない理由②|ポジティブな期待をしなくなる
アダルトチルドレンの人の生活は「我慢をする」のが普通です。
そういった生活の中で何か楽しいことがあると、
その後の「嫌なこと」が余計につらく感じてしまいます。
そのため「楽しいこと」と「嫌なこと」のギャップを小さくするために、
「ポジティブな期待をしない」という考え方をするようになります。
そのようにして「嫌なこと」「我慢をすること」へのダメージを小さくしようとするのです。
楽しめない理由③|「楽しいこと」の後には必ず「嫌なこと」がある
子どもが楽しそうにしているのを見ると、不機嫌になる親がいます。
親自身が子どもの頃にできなかったことを自分の子どもがやっていると、
それを見て嫉妬し、腹が立つのです。
パターンとしては、母親が娘に対して嫉妬し、怒るというケースが多いようです。
たとえば、友達と遊んで帰ってきたら、
理由のよく分からないことで親に激しく怒鳴られたという経験のある人は少なくありません。
過剰に門限を厳しくしたり、誰々とは仲良くしてはいけない、
といった理不尽な制限をかけられることもあります。
このような経験を繰り返すと、
「楽しい」という感情に「不安」や「恐怖」が結びついてしまいます。
無意識の中で「楽しいこと」と「苦痛なこと」が結びついてしまうため、
何かを心から楽しむことができなくなるのです。
楽しめない理由④|「幸せ」を遠ざけようとする
自尊心が低いアダルトチルドレンの人は、
「自分は幸せになれない」と思い込んでいることがあります。
そして、その思い込みを実現しようとするかのように、
無意識のうちに「幸せを遠ざける」行動をとってしまうのです。
そのような行動について、人から間違いを指摘されたりアドバイスをされても、
聞き入れることができません。
幸せを遠ざけるような行動をとっているので、当然「嫌なこと」ばかりが起こるのですが、
本人はそれを見て「自分の考えはやっぱり正しい」と解釈し、
ネガティブな思い込みをさらに強くしてしまいます。
そして、自分から楽しいことをやろうとしなくなるのです。
楽しめない理由⑤|睡眠不足や体調不良
睡眠不足だったり体調が良くない状態では、
嬉しい、楽しいといったポジティブな経験はしづらくなります。
アダルトチルドレンの人は、考えごとをし過ぎたり、
延々とネットサーフィンをすることが多いため、生活のリズムが崩れ、寝不足になりがちです。
そうすると当然、疲れがとれず体調も悪くなります。
アダルトチルドレンの人は、気分も体調もすぐれないことが多く、
何かを「楽しもう」という気持ちにはなりにくいのです。
楽しめない理由⑥|何事もマイナスに考える
同じ体験をしても、楽しめる人もいれば、楽しめない人もいます。
その経験を「どのように見るか」で、楽しいものにも不快なものにもなります。
たとえば、「ディズニーランド」や「USJ」といったテーマパークのことを考えたときに、
わくわくする人とそうでない人がいます。
アダルトチルドレンの人は、そのような場所でも人に合わせ、我慢をしているので、
遊園地であっても心から「楽しい場所」とは思えません。
そのため、本来は楽しむための場所であっても、
「人混みがうっとうしい」「待ち時間が長い」「ご飯が美味しくない」「値段が高い」
といったネガティブな考えばかりが浮かんでしまうのです。
これからは「楽しく」「幸せ」な方向へ
ここまで、アダルトチルドレンの人が「楽しめない」理由についてお話ししてきました。
過去の経験、特に親との関係が「今の自分の考え方」に大きく影響しています。
目の前に「楽しいこと」があっても、アダルトチルドレンの人は、
我慢ばかりしてきた過去の経験からネガティブな感情や考えが出てしまうのです。
けれども、実際にはアダルトチルドレンの人が「何も楽しめない」わけではありません。
ここでお話しした「楽しめない理由」が自分の中にあることが分かってくると、
少しずつ考え方が変わってきます。
少しずつ「楽しんでみよう」と思えるようになっていきます。
これからは「幸せに、楽しく生きる」という方向へ転換していきましょう。