アダルトチルドレンの「心理療法」とはどのようなもの?

「アダルトチルドレン」であること自体は「病気」ではありません。

けれどもアダルトチルドレンの傾向があれば、生活の中でさまざまな悩みが出てきます。

その悩みがストレスを生み、うつ病など心の不調につながってしまいます。

ここでは、主にアダルトチルドレンの「心理療法」についてお話しをしていきましょう。

アダルトチルドレンの回復の方法

アダルトチルドレンからの回復はもちろん可能です。

ここではアダルトチルドレンの回復の方法についてお話しをしていきましょう。

アダルトチルドレンの回復の方法はいくつかありますが、

代表的なものとしては「薬物療法」「自助グループ」「心理療法(カウンセリング)」があります。

回復の方法①|薬物療法

アダルトチルドレンの人は生活の中でストレスを感じやすいため、さまざまな心の病気にかかる可能性があります。

その例として、うつ病、パニック障害、対人恐怖、強迫性障害、双極性障害、摂食障害、パーソナリティー障害などがあります。

もしこれらの病気になってしまった場合は、一般的には「薬物療法」から治療を始めます。

一方で、アダルトチルドレンの人に特徴的な「人間関係の不安定さ」や「生きづらさ」は、

その人の「考え方」の問題が含まれているため、薬物療法だけで完全に良くなるわけではありません。

薬物療法は、苦痛を和らげる補助的な治療法であり、

根本的な治療としては「自助グループ」や「心理療法(カウンセリング)」が必要になります。

回復の方法②|自助グループ

同じような困難を抱える人が相互に助け合う集まりを「自助グループ」といいます。

アダルトチルドレンの人たちの集まる「自助グループ」は日本の各地にあります。

お互いの悩みを話したり、勉強会を開いたり、イベントを企画したり、さまざまな活動をしています。

(自助グループとは少し違いますが、心理師などの専門家が加わった「グループセラピー(集団療法)」というものもあります。)

アダルトチルドレンの人にとっては、最初はグループになじむのが難しく感じるかもしれません。

けれども何度か通っているうちに少しずつ慣れてきますので、安心してください。

自助グループでは、いろいろな人の体験談を聞いていくのですが、

そうしているうちにアダルトチルドレンについて、そして自分自身についての理解が深まっていきます。

アダルトチルドレンの自助グループ

アダルトチルドレンの自助グループのひとつに「アダルトチルドレン・アノニマス(ACA)」という集まりがあります。

日本全国、いろいろな場所でミーティングを開いています。

気になった方は一度、サイトをのぞいてみてください。

回復の方法③|心理療法、カウンセリング

「心理療法(カウンセリング)」はアダルトチルドレンの悩みを改善するのに、もっとも有効な方法といえるでしょう。

なぜなら、心の専門家(公認心理師、臨床心理士)と話し合っていくことで、

「考え方」や「思い込み」といった悩みの根本の部分が変わっていくからです。

「心理療法(カウンセリング)」では何をしていくのか?

アダルトチルドレンの人は、家庭、学校、職場といった環境でさまざまな悩みに直面します。

そして、その悩みのほとんどは「人間関係」の問題です。

そのため、カウンセリングでは日常生活での「人間関係」に焦点を当てます。

今の人間関係の中で、

「どんな問題が起こっているのか?」

「なぜその問題が起こっているのか?」

「自分の考え方のクセは?」

「どのように考えれば楽になるか?」

「どう振る舞えば人間関係が良くなるか?」

といったことを考えていきます。

そのようなことを振り返っていくことで「考え方」や「思い込み」が修正されていきます。

根気づよく続けることで、アダルトチルドレンの回復への道が見えてくるでしょう。

過去のトラウマを癒す

また心理療法(カウンセリング)は、過去のつらい記憶(トラウマ)を解消していくのにも役立ちます。

子どもの頃の親との関係、兄弟姉妹の関係を振り返り、

カウンセラーとゆっくり話し合いながら「心の傷」を見つめ、癒していきます。

過去のつらい出来事については、誰も思い出したくないし、考えたくもありません。

けれども、トラウマを克服することは「アダルトチルドレンを克服する」ことなのです。

そのためには、自分の中にある「見たくないもの」にも向き合っていく必要があります。

カウンセラーはつらい話もしっかり受け止めて聞いてくれます。

勇気を出して、正直な気持ちをお話ししてみてください。

心が癒され、気持ちが楽になっていくことが分かると思います。

そして少しずつ、アダルトチルドレンの「生きづらさ」から解放されていきます。