「家族が心の病気を抱えている」
「家族がひどく悩んで落ち込んでいる」
「夫が仕事に行けなくなった」
「子どもが不登校になった」
そのような家族の問題にどう対処したらいいか分からず、悩んでいる人はとても多いと思います。
家族の問題とカウンセリング
家族が心の病気や仕事の悩みなどを抱えている場合、その本人が直接カウンセリングを受けることが問題の改善に最も効果的であるのは言うまでもありません。
けれども、問題を抱えている本人がカウンセリングを受けたがらないということはよくあります。
家族は本人の様子を見て心配していますが、当の本人はそれほど悩んでいないといったケースもよくあります。
そのようなときは、まず家族がカウンセリングを受けることが次善の策となるでしょう。
家族が抱える問題
カウンセリングで取り組む問題の多くは、性格の問題、精神疾患、人間関係、学校や職場への適応など本人自身に関わるものですが、家族に関わる問題としては以下のようなものがあります。
・うつ病の家族にどう接していいかわからない
・発達障害のある家族がいて、さまざまな問題が起こっている
・引きこもりの家族を見ると不安になったりイライラしてしまう
・家族の精神疾患の治療方針について相談したい
・家族にカウンセリングを勧めたいが、どう伝えたら良いか分からない
本人より家族の方が悩んでいる場合がある
問題を抱えている本人よりも周りの家族の方が困っていることも多く、そのような場合は「家族の中で一番悩んでいる人」がカウンセリングを受けるのが良いでしょう。
なぜなら、その人は家族のことで悩み疲れて、今度はその人自身に心身の問題が出始める可能性があるからです。
また、家族は「本人がカウンセリングを受けなければ意味がない」と考えがちです。しかし本人のかわりに家族がカウンセリングを受けることで状況が動き始めることもあります。
まずは悩んで疲れている家族がカウンセラーに相談し、家族自身が疲れを癒しながら今後の方針について考えていくと、改善への道筋が見えてくるかもしれません。
家族がカウンセリングを受けることのメリット
ここで、家族がカウンセリングを受けることのメリットについて3つ例を挙げて説明しましょう。
① 本人との「関わり方」を知ることができる
本人への声のかけ方や距離の取り方など、本人との「関わり方」について知ることができます。
家族というのは、最も身近で最も大切な存在です。家族の誰かが困っていると「何とか手助けをしてあげたい」と強い思いを抱くものです。
その思いはもちろん大切ですが、本人へ「適切な手助け」をするためには冷静な判断も必要になります。
カウンセリングを通して本人との関係を見直すことで、より適切な関わり方について考えていくことができます。
② 本人への理解が深まり、家族の気持ちが楽になる
心の病気というのは周りの人にとっては理解しがたいものです。
うつ病の症状や発達障害の人の言動など、特に身近な家族のこととなると冷静に見ることは難しくなります。
「甘えているだけじゃないか?」と疑ってしまうこともありますし、そういった誤解によってイライラがつのり、ますます家族関係がぎくしゃくしてしまいます。
家族がカウンセリングを受けることで、本人の病気の特徴や症状のつらさを知ることができます。
本人への理解が深まることで本人に対しての見方が変わり、家族のイライラや不安は小さくなります。
③ 一人で問題を抱え込まずにすむ
家族の問題を一人で抱え込んでしまうと「自分がしっかりしないといけない」との思いが強くなります。
気づかないうちに無理をして疲れやストレスを溜めてしまい、しだいに心身の健康が損なわれてしまいます。
家族を支えていくためには、まず自分自身の健康が大切です。
カウンセラーと一緒に取り組んでいくことで、一人で問題を抱え込まずに済み、心身の健康を保ちながら家族のサポートをしていくことができます。
まとめ
問題を抱える本人よりも家族の方が深く悩んでいる場合は少なくありません。そのようなときは、まず家族がカウンセリングを受けることになります。
家族がカウンセリングを受けることで以下のようなメリットがあります。
① 本人との「関わり方」を知ることができる
② 本人への理解が深まり、家族の気持ちが楽になる
③ 一人で問題を抱え込まずにすむ
家族を支えるためには、まず自分自身の心と体の健康が大切です。家族のことで悩み疲れたら、一度医師や専門機関に相談してみてください。
当オフィスでは、心理的な問題を抱えるご家族のサポートや発達に関するご相談をお受けしています。ご家族の問題でお困りの方はぜひ一度ご相談ください。