アダルトチルドレンの「原因」は家庭環境にある?

「アダルトチルドレン」とは?

アダルト チルドレン(Adult Children)」という言葉は、

「親がアルコール依存症である家庭で育った人」

という意味で使われ始めました。

その後、他の依存症のある家庭にも同じ問題があることがわかり、より広い意味で使われるようになりました。

現在では、

・親から虐待やネグレクト(育児放棄)を受けている
・家族の間、特に両親の仲が悪い
・自分の感情にうまく対処できない
・対人関係が不安定、良い関係を築けない

といった「生きづらさを抱えている人」を「アダルトチルドレン」と呼ぶようになっています。

アダルトチルドレンとは、医学的な病名ではなく、その人の「生きづらさ」を表した言葉です。

アダルトチルドレンになる原因は何?

いくつかの原因がありますが、多くは「親との関係」「養育環境」にあるといわれています。

主な原因としては、具体的には次のようなケースです。

虐待を受けた経験がある

身体的虐待、心理的虐待、性的虐待、そしてネグレクト(育児放棄)が代表的な例です。

ネグレクトには、子どもに必要な医療を与えない「医療ネグレクト」、

子どもに必要な教育を与えない「教育ネグレクト」、

子どもの金銭を搾取する「経済ネグレクト」があります。

また、DV(ドメスティック・バイオレンス)や「性行為を見せる」ことも虐待にあたるとされるようになっています。

このような虐待が日常的に行われると、子どもの心身の発達に悪い影響を与え、他人と適切な人間関係をつくることが難しくなります。

このような虐待を強いられた子どもは、無意識のうちに、生き延びるためのさまざまな「対策」を考え出します。

しかしその「対策」は、親からの虐待を逃れ、その家族の中で生き延びるためには必要なことだったのですが、外の世界、学校などの人間関係では、さまざまな問題が引き起こされてしまうのです。

例えば、親を怒らせないように、いつも笑顔でにこにこ、聞き分けのよい「良い子」を演じてしまうことがあります。

自分の気持ちをおさえて、無理にこのような振る舞いをしていると、学校や社会の中では、悪質な「いじめ」のターゲットになってしまう場合があります。

「毒親」と呼ばれるような親

「毒親」とは海外から入ってきた言葉ですが、その言葉どおり、子どもにとって「毒」となるような悪影響を与える親のことをいいます。

厳密な定義はありませんが、毒親がとる行動の例として、次のようなものがあります。

・子どもを親の思い通りにコントロールする(過干渉)
・子どもの好きな物、大切な物を取り上げる
・完璧主義を強いる
・親の考えや行動は「常に正しい」と教え込む

このような親の振る舞いは、子どもの心に深い傷を与えてしまいます。

機能不全家族

機能不全家族」とは、家族の間で強いストレスや問題が日常的にある家庭環境のことをいいます。

本来、家族はお互いを尊重し、励まし合い、協力し合うものです。

それに反して、一人ひとりの個性が尊重されず、子どもが親に一方的に「搾取」されるような家庭環境は、健全ではない(機能不全)といえます。

これは、あくまでも「子どもから見て」健全ではない家族を指します。

親は自分の家族は「まっとう」だと考えている場合があるからです。

親自身の解釈ではなく、子どもがどのように感じているかが重要なのです。

「機能不全家族」のよくある例としては、

・身体的、精神的、性的な虐待が行われている
・夫婦の仲が悪い、お互いに無視をしている
・親から子どもへの期待が大きすぎる
・親がなにかの依存症
・親が情緒不安定

などです。

親が「アルコール依存症」や「ギャンブル依存症」

親がアルコール依存症になると、子どもへの関心や身の回りの世話がおろそかになります。

それは、親がお酒を飲むことばかりを考えるようになるからです。

そして、お酒を手に入れるために何でも利用しようとするようになります。

例えば、子どもに夜中でもお酒を買いに行かせたり、ひどい場合は子どものお金でお酒を買わせることもあります。

エスカレートすると、お酒がなくなると暴言を吐いたり、暴力を振るうようにもなります。

このような家庭で育った子どもは、心も体も疲弊し、健全に成長することが難しくなります。

生まれつきの性格や気質

子どもは生まれながらにして、さまざまな性格特性を持っています。

たとえば、子どもに発達障害の傾向があると、理解力がとぼしかったり、落ち着きがなく衝動的であったり、かんしゃくを起こしやすかったりします。

または、子どもと目が合わない、極端に反応が薄いといった場合もあります。

子どもにそのような傾向があると、子育てにおいて親は大変なストレスを感じることになります。

状況をなんとかしようと、子どもを過度にコントロールしようとしたり、叱る回数が増えたり、時には手を上げてしまうこともあります。

そうなると親も疲弊し、殺伐とした家庭になってしまうでしょう。

親が必死になればなるほど、子どもにとっては苦しい環境になってしまいます。

子どもには一人ひとり個性や特性があります。

それを理解しないまま、親が子どもの気持ちを無視したり、暴力をふるうなど不適切な関わりを続けると、子どもは「アダルトチルドレン」に育ってしまうのです。

これは、子どもに「原因」があるのではありません。

アダルトチルドレンの原因は「親にある」と言っても過言ではありません。

機能不全の家庭で育った子どもは、大人になったときに社会にうまくなじめなかったり、人と良い関係を築くことが苦手になります。

子どもの人生がつらいものにならないよう、親は子どもとの関りや家庭環境を大切にしなければいけません。