
「統合失調症」の一般的な治療方法/カウンセリング方法をご紹介します。
統合失調症の治療は、薬物療法が中心になります。
統合失調症のカウンセリング(認知行動療法)では、生活リズムを整えること、日常生活で必要なスキルの習得、幻聴や妄想に飲み込まれないための心理教育とトレーニングを行います。
統合失調症とは?
「統合失調症」は、幻覚や妄想などの症状を特徴とする精神疾患です。
幻覚や妄想に強くとらわれるため、自分の思考や感覚、行動が歪んでいることを客観的に自覚することが難しい状態になります。
そのため人との交流や日常生活を送ることが困難になり、学校や職場に適応する力が損なわれてしまいます。
好発時期は、10代後半~20代です。
発症する時期が、思春期、青年期の精神的に成長する時期と重なるため、乗り越えなくてはならない課題が多く、闘病生活には多くの苦労と困難がともないます。
統合失調症は、以前は入院治療が当たり前でしたが、近年は治療環境や治療方法が大きく変わってきています。
新薬の開発や心理社会的ケアの進歩によって、より安定した生活を送ることが可能になりました。
病気とうまく付き合いながら社会コミュニティーに参加する人も増えているようです。
統合失調症の主な症状
統合失調症の症状は多岐にわたります。
主な症状として以下のようなものがあります。
- 「幻聴」⇒ 実際には存在しない声が聞こえる
- 「幻覚」⇒ 実際には存在しないものが見える
- 「妄想」⇒ 実際にはありえないことを信じてしまう
- 「思考障害」⇒ 思考が混乱する
- 「情緒的な変化」⇒ 感情が不安定になったり、無感情になったりする
- 「不可解な言動」⇒ 周りの人が理解できない言動をとる
その他、聴覚や感覚が敏感になる、生活リズムが乱れる、ものごとに集中できないといった症状が現れることがあります。
統合失調症の原因
統合失調症の原因については諸説あり明確な結論は出ていませんが、おおまかには次の2つによって発症すると考えられています。
① ドーパミンなどの脳内の神経伝達物質の問題
② 進学や就職、親からの自立など大きなライフイベント
①の脳の機能障害が統合失調症の発症の素地となり、②のライフイベントによる大きなストレスが発症の引き金になると考えられています。
つまり脳の問題があるところへ強いストレスがかかると発症するということです。
統合失調症のカウンセリング
統合失調症の治療の第一選択は「薬物療法」です。
その他にリハビリテーション、カウンセリング(認知行動療法)、生活スキルの練習など複数の療法を取り入れるのが一般的です。
薬物療法は乱れた脳内の神経伝達物質のバランスを回復させ、幻聴、妄想、不安を和らげます。
薬物療法と十分な休養により状態が落ち着いているときにカウンセリングやリハビリを行います。
カウンセリングやリハビリでは、生活リズムを整えること、生活スキル(対人スキル)を身につけることが主な目的となります。
またカウンセリング(認知行動療法)では、幻聴や妄想に飲み込まれないための心理教育とトレーニングを行う場合があります。