「心身症」のカウンセリングとは?

「心身症」の一般的な治療方法/カウンセリング方法をご紹介します。

心身症の発症には、心理的ストレスが大きく影響しています。

そのため体の治療と合わせて、カウンセリングなどによる心理面のケアが必要となります。

心身症のカウンセリングでは、自分の感情とストレスに気づいていくこと、そしてそれらにうまく対処する方法を身につけることが主な目的になります。

心身症とは?

「心身症」は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍など、心理的な要因によって生じる体の病気の総称です。

仕事でのトラブル、夫婦間の不和、大切な人と死別など、強いストレスが長期間にわたり持続すると発症します。

自分の感情やストレスに気づきにくい人が心身症になりやすいと言われています。

また自分の感情を押し殺して、無理に周りに合わせようとする人、自分の気持ちを言語化することが苦手な人に身体症状が現れやすいとされています。

治療では、ストレスとなる環境の改善だけでなく、無意識に感情を抑えてしまう自身の「考え方」を振り返っていく必要があります。

心理的な治療が行われなかった場合は、最初の症状が治っても、再発するか、他の症状が現れる可能性があります。

心身症の治療にはカウンセリングによる心理面のケアが不可欠です。

心身症の主な症状

心身症とは、心の病気そのものの名前ではなくストレスが原因の体の病気全般を表す言葉です。

心身症に関連する病気は非常に多岐にわたります。以下はその代表例です。

  • 呼吸器系:気管支ぜんそく、過換気症候群、しゃっくり
  • 循環器系:動悸、頻脈、本態性高血圧、起立性低血圧
  • 消化器系:胃潰瘍、十二指腸潰瘍、慢性胃炎、過敏性腸症候群
  • 神経/筋肉系:緊張型頭痛、片頭痛
  • 皮膚系:アトピー性皮膚炎、じんましん、円形脱毛症

心身症のカウンセリング

「アレキシサイミア」という言葉があります。「失感情症」とも言い、自分の感情に対しての自覚が乏しい(自分の感情がよく分からない)状態をいいます。

心身症になる人は「アレキシサイミア」の傾向があるといわれています。

心身症は一般的な身体疾患よりも心理的要因が強く影響しているため、体の治療と合わせて心理面の治療が必須となります。

体の治療は薬物療法と十分な休養が中心です。

心理的な治療として、カウンセリング、森田療法、マインドフルネスなどを行います。

環境からのストレスが強い場合は、カウンセリングの中で仕事や人間関係の改善に向けて話し合います。

カウンセリングで取り組んでいく主な内容として、

  1. 自身の気持ち、感情に気づいていくための話し合い
  2. ネガティブな思い込みや考え方についての洞察
  3. 体をゆるめてリラックスするための練習
  4. 自己表現、自己主張をする練習(アサーション・トレーニング)

などがあります。