「強迫性障害」のカウンセリングとは?

「強迫性障害」の一般的な治療方法/カウンセリング方法をご紹介します。

強迫性障害の治療では、服薬とカウンセリングの両方が必要です。

どちらか一方だけでは治療はうまくいきません。

カウンセリング(認知行動療法)では「曝露(ばくろ)反応妨害法」という技法を最も重視します。

強迫性障害とは?

「強迫性障害」は、不快な考えが何度も頭に浮かび、その不安を振り払うために同じ行動を繰り返してしまう病気です。

何度も手を洗う、何度もドアの施錠を確認するなど、通常よりもはるかに長い時間(および回数)その行為を繰り返し、それが習慣化し、生活に支障が出るほどエスカレートした状態をいいます。

強迫性障害の特徴は、過剰な行動に対して「こだわりすぎている」という自覚がありながら、本人の意思に反してその行為がやめられないことです。

強迫性障害の原因

強迫性障害は、脳の特定部位の機能低下や脳内神経伝達物質である「セロトニン」の働きに異常があることが原因といわれています。

セロトニンは脳内の神経細胞間の情報伝達を担っています。

強迫性障害では、神経細胞から放出されるセロトニンの働きが何らかの原因により抑制され、汚れや安全などの状況に対する認識が正常に行われなくなると考えられています。

つまり状況(汚れや安全)に対して極端にネガティブな解釈をしてしまうことで、強い不安に駆り立てられ、強迫行為がやめられなくなるのです。

強迫性障害のカウンセリング

強迫性障害の治療には、薬物療法とカウンセリング(認知行動療法)の2つの柱があります。

治療にはその両方が必要で、どちらか一方だけでは十分に改善することは難しいです。

薬物療法で不安や抑うつ気分を和らげ、ある程度落ち着いた状態で認知行動療法を行います。

認知行動療法には多くの技法がありますが、その中でも強迫性障害の治療では「曝露(ばくろ)療法」もしくは「曝露反応妨害法」という技法を最も重視します。

【曝露療法、曝露反応妨害法の詳細はこちら(外部リンク)をご参照ください】

強迫性障害のカウンセリングは、通常は自己理解を深めるための話し合いではなく、難易度の低いところから様々な行動的チャレンジをしていくことが取り組みの中心になります。

つまり体験を通して「不安に慣れる」「不安に振り回されなくなる」ことを目指します。

また、曝露反応妨害法と合わせて、マインドフルネスやリラクセーションの技法を取り入れる場合もあります。