うつ病の再発|兆候・サインを見逃さない

うつ病は「再発」がとても多い病気です。再発しないように心がけていても、様々なストレスが重なり、気がつけば調子が悪くなっている場合があります。そのときに最も大切なことは「再発のサイン」にできるだけ早く気づくことです。できるだけ早く再発のサインに気がつけば、問題が大きくなる前にさまざまな対処をとることができるからです。

うつ病の高い再発率

一度うつ病になった人は約60%が一年以内に再発するといわれています。そして再発したことのある人が再々発する率は70~90%にものぼるともいわれています。多くの人は再発すると「またふりだしに戻ってしまった」「もう一生治らないんじゃないか」と考え落ち込んでしまいます。

再発の兆候、サイン

うつ病の再発の兆候、サインとはどのようなものがあるのでしょうか。家族や周りの人が最初に気づくサインは「表情が暗い」「笑顔が見られない」ことです。本人は調子が悪くなっていることに自覚がない場合がありますが、周りの人は本人の様子や雰囲気から不調であることを察します。次のようなサインが見られれば、うつ病が再発している可能性があります。

うつ病の再発のサイン

  • 十分に眠れていない様子
  • イライラしている、すぐに怒る、不機嫌な様子
  • 人を避けるようになった
  • 動きがにぶい、話し方がゆっくりになった
  • 口数が減った、ボーっとしている
  • お酒を飲むようになった、または量が増えた
  • 食欲がない、または食欲がありすぎる
  • 表情が暗い、笑顔が見られない

再発は本人も認めたくない

家族が再発に気づいてやさしく注意をうながしても、本人は聞き入れないことがあります。以前に経験したどん底の気分に比べると「まだ大丈夫」と思っているのかもしれません。

また「再発を認めたくない」という気持ちもあります。再発するかもしれないと覚悟はしていても、いざ実際に再発が疑われたときには、落胆し、否定したい気持ちになります。

早すぎる復職は注意が必要

うつ病は、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら少しずつ回復するものです。回復したと思ってもすぐには安定しません。

再発のリスクが高まるのは、回復を実感するようになった頃(元気になり始めた頃)です。回復してくると職場への復帰が決まるなど、格段にストレスが増えるからです。

『来週から仕事に復帰だ…』⇒ 発病したときと同じ環境に戻る(それを考えるだけでも相当なストレスになります)

『今まで長く休んでいたし、これからバリバリがんばらないと…』⇒ がんばりすぎてしてしまう

『もうこれ以上、人に迷惑をかけないようにしなくては…』⇒ 我慢をする、無理をしてしまう

うつ状態から回復してくると・・・

職場への復帰(うつ病になった環境に戻る)

多少の無理がきくようになるので、頑張りすぎてしまう

強いストレスがかかる、ストレスがたまる

再発のリスクが高まる

休職が長くなると「職場から自分の居場所がなくなってしまうのではないか」とあせり、復職を急ぐ気持ちにかられます。けれども、あせりは禁物です。復職の時期が早すぎると、再発のリスクが高まります。

あせって、無理をして復職すると・・・

復職してしばらくすると、よく眠れなくなるかもしれません。調子の悪さを自覚しながらも、なんとか頑張って出社します。こうなると状況はさらに悪くなっていきます。だんだんと朝起きるのがつらくなり、出勤のための準備ができなくなります。

再発したときは本人よりも家族や周りの人が先に気づくことが多いです。再発を認めたくない気持ちがあり、また自分を冷静に見る余裕がなくなるためです。

再発を認めたくない、自分を冷静に振り返る余裕がない ⇒ 自分では再発に気づきにくい

うつ病から回復したと思っても、すぐにすべてを元に戻さないように注意しましょう。3ケ月~半年くらいの時間をかけて、あせらずにゆっくりと元の環境に戻していくことが大切です。その際には、家族、職場の”理解と協力”が何よりも大切になります。

再発したときの対処を考えておく

うつ病の症状が少し落ち着いて、職場に復帰したり、家事を再開すると、本人はこれまでの遅れを取り戻そうと無理をして頑張ろうとします。うつ病が再発しやすいことはよく知られるようになりましたから、本人も気をつけているはずです。

しかし先にお話ししたように、本人は気づかなかったり、気づいても何も対処しないことがあります。その場合は、家族が早めに気づいて対応するしかありません。

うつ病の再発に家族はガッカリしますが、それは本人も同じです。一番つらいのは本人ですから、そのことを批判せず冷静に対処しましょう。

再発の兆候があらわれた時に「どのように対処するか」をあらかじめ本人と相談しておくと良いでしょう。前もって決めていると、いざというときに慌てなくてすみ、少し安心できるかもしれません。

(注)うつ状態から抜け出し、明らかに気分が高揚している、元気すぎるという状態であれば、双極性障害(躁うつ病)の「躁状態」の可能性があります。様子がおかしいと感じたら、すぐに専門医に相談してください。