うつ病の人への「禁句」とは?

本人を追い詰める「禁句」に注意

うつ病の人は会話の中の何気ない一言で傷つき、追い詰められてしまうことがあります。善意の気持ちで言った言葉でも、否定的に受け取ってしまうこともあります。ここではうつ病の人への「禁句」について、例を挙げて説明していきましょう。

禁句①「励ましの言葉、善意のアドバイス」

『がんばって!』
『元気を出して!』
『笑って!』

本人はこれ以上頑張れないところまで頑張っています。エネルギーが底をついている状態なので、元気を出すことも、笑うこともできません。無理に明るく振る舞ったり、笑顔を見せたりすることもありますが、内心では苦しい思いをしています。うつの状態が快方に向かっているときは励ましの言葉がプラスに働くこともありますが、気分が不安定なときは『がんばって!』と言われると負担に感じてしまいます。

『映画かカラオケでも観に行かない?』
『何か好きなことでもしたら?』
『家に閉じこもってたらダメよ』

善意で言っていたとしても、このような言葉はうつ病の人を苦しめます。自分のこと(うつ病のこと)を分かってもらえていないと感じるからです。うつ病というのは、少し回復してきた頃でも「何かをする」ということはとても大変なことなのです。それを知らない人は、何か好きなことでもしたら気分が晴れて元気になるのではないかと思ってしまいますが、実際はそうではないのです。善意のアドバイスは、多くの場合、本人は重荷に感じているということを理解しておきましょう。

禁句②「無理解、誤解に基づく言葉」

『怠けているだけじゃないの?』

これは全く誤解に基づく発言です。本人はうつの症状によって気分が落ち込み、体が重くて動けないのです。家族や周りの人はうつ病についての知識を持つことが大切です。

『気分が落ち込むことは誰にでもある』
『世の中にはもっと大変な人がいっぱいいる』

嫌なことがあると気分が落ち込むことは誰にでもありますが、うつ病による憂うつ感や気分の落ち込みは日常的な気分とは全く別のものです。このような言葉をかけられると、本人は分かってもらえない寂しさと『自分は頑張りが足りない』という自責の念でつらい気持ちになります。

『ゆっくり休めていいね』
『オレも(私も)ゆっくり休みたいよ』

うつ病の苦しさを理解していないところから来る言葉です。本人は休みたくて休んでいるのではないので、この言葉をかけられるととても複雑な気持ちになり落ち込んでしまいます。

禁句③「感情的な言葉、問いただす言葉」

『いつになったら治るの?』

このように言われると、本人は責められているように感じます。『病気を早く治さないといけない』と本人が一番あせっています。この言葉をかけられると、自分で自分にプレッシャーをかけてしまい精神的につらくなってしまいます。

『あなたのために~してあげてるのに』
『少しくらい~したら?』

このように言われると、本人は罪悪感、自責の念を強く抱いています。『あなたのために~』『あなたのことを思って~』と言われると、それに応えられない自分をさらに責めてしまいます。申し訳ない気持ちがあるので、我慢をして相手に合わせてしまうこともあります。

『どうしてこんな病気になったの?』
『何がきっかけなの?』

病気のきっかけについては話題にしない方がよいでしょう。ましてや興味本位で聞かれると本人はたまりません。気分が安定しない間は、病気になったきっかけや考えても分からない原因などについては考えない方がよいでしょう。

『性格(考え方)を変えないといけないね』

このような言葉をかけられると『やっぱり自分はダメなんだ』『やっぱり自分は間違っている』と考え、ますます自分を責めて落ち込んでしまいます。自分の性格や考え方がどこかおかしいのではないかと本人も思っているのですが、人から指摘されると深く傷ついてしまいます。