うつ病の人は周りの無理解に苦しむ

人に分かってもらえないことが苦しい

うつ病の人は、家族や職場の人たちの「無理解」に苦しみます。

職場であれば、うつ病と診断されたことは上司や同僚に伝えておく方がよいでしょう。そう思いながらも、いざ上司を前にするとなかなか言い出せません。仕事に支障が出るようになると焦りがつのりますが、誰にどのように病気のことを説明したらいいか分からなくなってしまいます。

病気のことを伝えないでいると、上司や同僚からは「仕事のできないやつだ」「怠けている」「やる気がない」などと誤解されて、ますますつらい状況に追い込まれます。

以前できていたことができなくなるのはうつ病の症状によるものですが、病気のことを隠していると周りの人には理解してもらえず、職場での信用や立場を失いかねません。

つらさを押し殺して明るく元気に振る舞う

たとえ病気のことを伝えても、相手がうつ病について十分な知識がなければ状況は良くならないかもしれません。

うつ病について理解のない人は、本人に対して「甘えているだけだろう」「やればできるはずだ」「病気のせいにして怠けている」などと考えます。そして本人を責めるような態度できつい言葉をかけてしまうのです。

体の病気や怪我とちがい、心の病気は外見からはほとんど分からないため、本人のつらさ、苦しさは周りの人にはなかなか伝わりません。つらくても無理に明るく元気に振る舞ってしまうこともあるので、そうするとますます人に分かってもらうことが難しくなります。

うつ病の人は、周りの人に『病気のつらさを分かってもらいたい』と思っています。けれども、自分の気持ちを人に打ち明けることはあまりありません。『話してもどうせ分かってもらえない…』と思っているからです。

苦しさをわかってもらえないことが本人にとって一番つらいことなので、打ち明けたくないと思ってしまうのです。

そして、つらい気持ちを押し殺してニコニコと笑顔で振る舞ってしまうと、あとで一人になったときにぐったりと疲れ、すべてのことから逃げ出したくなります。

理想としては、相手に自分の病気のことを伝え、うつ病について正確な知識を持ってもらうことでしょう。しかし本人は気分も体調も悪く、エネルギーがからっぽの状態なので、積極的な行動をとることはとても難しいのです。そのため、人との距離をとり、自分の殻に閉じこもる方向へ向かってしまうのです。