83. 本を声に出して読む

第16代アメリカ大統領エイブラハム・リンカーンの若き弁護士時代の話だ。

彼は、毎朝弁護士事務所に通勤してくると、新聞を声に出して読んでいたという。あまりにも大きな声で読むので、隣の部屋の同僚にも聞こえていたのだそうだ。

なぜリンカーンは、毎朝こんなことをしていたのだろうか。

それは、音読すると黙読の2倍、頭に入るということにリンカーンが気づいたからだ。

覚えられる量が2倍になるだけではない。覚えている期間もずっと長くなる。

音読すると、視覚に加えて、聴覚も使うことになるから、使う感覚は2倍だ。さらに、「声を出す」という行動も加わる。自分をフル稼働させることで記憶に残りやすくなるのだろう。

私の友人のスティーヴ・ハーディソンは、もっとも成功したビジネス・コンサルタント1人だが、彼に成功の秘訣を聞くと、若いころの読書のおかげだと教えてくれた。

若いころのハーディソンは、お金もなく、自分が何を目指しているのかもよくわからなかった。

しかしある日、ナポレオン・ヒルの古典「成功哲学」を目にしたハーディソンは、最初から最後まで声に出して読んでみた。

これが彼の成功のきっかけになったのだそうだ。

せっかく声を出して読むのだから、あなたのやる気を高めて、成功に導いてくれるよう本を音読することを習慣にするとよい。

私がよく音読しているのは、オグ・マンディーノの「地上最強の商人」の第16章だ。

今からその一節を紹介しよう。この本を読んだことがあるかもしれないが、ためしに次の一節だけは音読してみてもらいたい。

もし音読できないような状況なら、あとで1人になったときにやってみよう。アドレナリンが分泌されて気分が高揚するのが実感できるはずだ。

「私は今すぐ行動する。私は今すぐ行動する。今この瞬間から、私は1時間ごとにこの言葉をくり返し、毎日この言葉をくり返す。この言葉が、私にとって呼吸のように自然な存在になり、まるでまばたきのように自然に行動できるようになるまで、何度も何度もくり返す。私はこの言葉を唱えることで、成功に必要な行動を起こせる人間になる。私はこの言葉を唱えることで、困難に立ちむかえる人間になる。」