81.「問題解決脳」から「ビジョン脳」に切りかえる

経営コンサルタントのロバート・フリッツはこう言った。

「大切なのはビジョンではない。そのビジョンに何ができるかが重要だ。」

あなたのビジョンには何ができるだろう。

エネルギーを与えてくれるだろうか。

ビジョンのおかげで笑顔になれるだろうか。

疲れたとき、ビジョンのことを思いだすと、もうひとがんばりできるだろうか。

ビジョンは、こうした基準で評価するべきだ。

力があるかどうか、効果的かどうかという観点から評価しなければならない。

フリッツは元ミュージシャンで、作曲における創造の原則をキャリアでの成功に応用している。

彼は「望みがはっきりしているほど、人生もよくなる」と強調する。

たいていの人は、時間のほとんどを問題解決に使う。

問題解決は、人が生涯をかけて行う聖戦だが、ネガティブな作用がある。

問題に反応してばかりいても、自分の能力は最大限に発揮できない。1日をふり返ってそこにあるのは、「これで問題が少なくなった!」という安堵感だけだ。

フリッツは、次のようにも言っている。

「問題を解決することと、創造することはまったく別物だ。私たちは、問題解決文化の中で育っている。そのため、創造のプロセスについては、何も学んでいない。」

創造のプロセスの第一歩とは、「自分が創造したいもののビジョンを描くこと」だ。

ビジョンがなかったら、創造することはできない。あなたはただ問題を消しているだけだ。

自分の思考パターンを変えるには、自分が「人生から何を消したいだろう」と考えていることに気づかなければならない。

そして、そのネガティブな思考を、「自分は人生で何を生みだしたいだろう」というポジティブな思考に置きかえなければならない。

「私たちは問題解決文化の中で育っている」とフリッツは言った。

この言葉は正しい。

試しに周りの人の言葉に耳を傾けてみよう。何かに挑戦するとき、彼らはどんな言葉を使っているだろうか。

たとえば会社でのミーティング。誰かが「こんなことが起こったら困るな・・・・・・」と言う。

すると、それを聞いていた人が、「こうすればその問題は避けられるんじゃないかな」と提案する。

そこで3人目が会話に加わり、「ここでの問題は1つだけだよ……」と言って、自分たちをなぐさめようとする。

この会話の問題点は、「何を創造したいだろう?」という質問がないことだ。

これは美しい質問だ。

なぜなら、問題にも困難にも言及していない。この質問から連想されるのは、純粋な創造性だけだ。

この質問をすることで、人生のポジティブな側面に戻ることができる。

あなたのやる気のスイッチをオンにするには、自分の欲しいもののビジョンを鮮やかに描くのがいちばんだ。

あなたは、何を新しく生みだしたいだろうか。

大切なのは、ビジョンの中身ではない。ビジョンの中身が変わってもかまわない。

肝心なのは、そのビジョンが何をするかということだ。

今のビジョンが朝起きる原動力にならないのなら、他のビジョンを考えよう。

細部まで想像し、まるで現実のように鮮やかなビジョンを描く。

力のあるビジョンが手に入れば、ビジョンのことを考えただけですぐに身体が動きだすはずだ。