80. ヒーロー・ヒロインから学び、行動をコピーする

人にはヒーローが必要だ。

ヒーローは人の強さの源になる。

ピューリッツァー賞受賞作家のバーナード・マラマッドはこう言っている。

「ヒーローがいなければ、人間がどこまで行けるのかはわからない。私たちはみな凡人になってしまうだろう。」

ヒーローは「人間は何ができるのか」を教えてくれる存在だ。だから、ヒーローを正しく活用すれば、彼らからエネルギーとインスピレーションを得ることができる。

彼らの写真を壁に貼ろう。彼らの人生に詳しくなろう。彼らの本を集めよう。

あなたのヒーローを、1人に決める必要はない。

私の末の妹のシンディは、女性として初めて大西洋横断飛行に成功した飛行家アメリア・エアハートに少女時代から憧れていた。

最近、シンディは30代になってから飛行士の訓練を受けていたことを打ち明けた。私たち家族には、まったく寝耳に水のニュースだった。

驚きの告白から数週間後、一家で街外れの小さな空港に出かけた。シンディの初めての単独飛行を見学するためだ。

「すごく怖かった」と、シンディはあとで話してくれた。

「緊張のあまり口の中がカラカラに乾いていたわ」

シンディの仕事は、飛行機とはまったく関係がない。ただ小さいころから憧れていたヒロインに触発され、自分も飛行機を操縦して空を飛んでみたいと思ったのだ。

思想家エメット・フォックスもこう言っている。

「私たちは、自分が尊敬しているものになる。」

成功哲学の祖として知られる作家ナポレオン・ヒルは私のヒーローだ。

私と同じように、彼にも芽が出ずに苦労していた時代があった。

当時、ヒルの友人に、繁盛していないレストランのオーナーがいた。そこでヒルは友人を助けるため、週に一度、レストランで自己啓発の講演を行うと申し出た。少しは客寄せになるかもしれないと考えたのだ。

講演のおかげでお客は集まったが、本当に助かったのはヒル自身だった。ヒルの講演のファンが一気に増えたからだ。

このヒルの逸話を読んだとき、私にはあるアイデアが浮かんだ。

当時の私はフルタイムの講演家を目指していたが、まだはっきりした方向性はなかった。

私は、ヒルをまねすることにした。

マーケティング・ディレクターとして働いていた自分の会社で、毎週木曜の夜、無料のワークショップを開催することにしたのだ。

最初のうち、参加者は少なかった。2人だけのこともあった。

しかし、何週間かつづけるうちに評判が広がり、それにつれて参加者の数も増えていった。

まもなくして、大勢の人が木曜のワークショップに押し寄せるようになった。

私がプロの講演家になることができたのも、あの無料ワークショップのおかげだ。

これは私が考えたアイデアではない。自分のヒーローの方法をコピーしただけだ。

理想自分をつくるためには、自分のヒーローを活用し、正しく学ぶことは欠かせない。

ヒーローを活用するベストの方法は、彼らの偉大さに感嘆するだけでなく、彼らから何かを学ぶことなのだ。

彼らの人生に触発されよう。どんなに偉大な人でも、私たちと同じ人間だ。

自分は何もせずに、ただ彼らをすごいと思っているのは、自分の潜在能力に対する侮辱である。

ヒーローをただ見上げるのではなく、彼らの人生を研究しよう。