76. ミステリー小説を読む

編集者のキャシー・アイマーズは、ミステリー小説の熱心な読者だ。

ちなみに彼女は、私が本書の初版を捧げた人物であり、今は私の妻となった。

キャシーは頭の回転が速く、編集者としても優秀で、教養もある。本書が長く読み継がれ、世界各国で翻訳されるまでになったのは、彼女の編集のおかげでもある。

最初に彼女と出会ったとき、私は不思議に思った。

「こんな知的で優秀な人が、なぜ四六時中ミステリー小説を読んでいるのだろうか?」

ミステリー小説を読む習慣がない私は、ミステリーとは頭を使わない軽い読み物のことだと思っていた。だから、彼女のミステリー好きは私にとっては謎だった。

その後、私はキャシーに勧められアガサ・クリスティの作品を手に取った。

そして、よいミステリーを読むと知性が大いに刺激されることを発見した。

世界最高のIQの持ち主マリリン・ヴォス・サヴァントも、ミステリー小説は脳を鍛えると言う。

お勧めはアガサ・クリスティ、ジョセフィン・テイ、P・D・ジェイムズだ。

「私がお勧めしたいのは、エレガントで、伏線が巧妙に張りめぐらされた、知的なミステリーです。銃ではなく推理で事件が解決されるような小説です」

ヴォス・サヴァントは、ミステリー小説の読み方をこう教えている。

「主人公の探偵よりも推理で1歩先を行こうとしながら、ミステリー小説を読むと、直感力が鍛えられます。」

ヴォス・サヴァントは、こうも言っている。

「アーサー・コナン・ドイルのシャーロック・ホームズのシリーズはずっと人気が衰えません。それも当然のことでしょう。ホームズの推理法は脳を鍛える方法そのものですから」

IQは生まれつきの能力で、一生変わらないと信じられている。しかし、IQ230のヴォス・サヴァントは、脳も筋肉と同じように鍛えられると言っている。

今度おもしろいミステリー小説を読むときは、もう罪悪感を持つ必要はない。あなたは怠けているわけではないし、遊んでいるわけでもない。もしかしたら、その日でいちばん生産的な作業かもしれないのだ。