68.「人生のリスト」をつくる

私の友人にリストマニアがいる。

彼は「自分の長所」「人生でうまくいっていること」「今までにしたいこと」「これまでに達成したこと」などのリストをつくり、ブリーフケースに入れて持ち歩いている。

気分が落ちこんだときに読み直すためだそうだ。

「リストを読むと、落ちこんでも、また前向きな気分になれるんだ」と彼は言う。

リストづくりは、ビジネスパーソンにとって必須のスキルだ。

たとえば会議の前、その会議で達成したいことをリスト化しておけば、短時間で効果的な会議ができる。

リストは、頭の中で考えるだけでなく、紙に書くことで効果が高まる。

文字にするということには、右脳を刺激してより現実感を持たせる効果があるからだ。

ホームパーティの準備の買い物に出かけるときなど、買い物リストをつくらなければ、悪夢のような事態になる。

私自身も、買い忘れのためにまた店に戻るという面倒な経験をして、買い物リストの大切さは骨身に染みている。

あらかじめリストにしておくことで、会議も買い物もうまくいく。

それなのに、なぜ私たちは、その原則を人生に取り入れないのだろうか?

たいていの人は、人生の計画より、旅行やパーティの計画にたくさん時間を使っている。どちらが大切なのだろう?

初めて「人生のリスト」をつくるのなら、私のお勧めは「死ぬまでにしたいことリスト」、その次は「一生付き合いをつづけたい人リスト」だ。

友だちのリストをつくるなんてバカげていると思うかもしれない。

しかし実際につくってみれば、本当に大切にしたい人がはっきりする。

その人たちを大切にしようというモチベーションも高まる。

「広告の父」と呼ばれるデーヴィッド・オグルヴィは、広告代理店を設立したとき、まずクライアントにしたい会社のリストづくりから始めた。

ゼネラル・フーズ、プリストル・マイヤーズ、キャンベル、シェル石油・・・・・・。

リストに書きだしたのは、世界的大企業ばかりだ。

リストをつくった当時、オグルヴィはどの会社とも契約していなかった。

しかし、ある意味で、彼はすでに契約していたのである。

「時間はかかったが、どの会社もクライアントになってくれた」とオグルヴィは言う。

夢や目標をリストにするのは、人生が終わる前に伝記を書くようなものなのだ。

人は、他人が書いたものの中にやる気を高めてくれる材料を探しがちだ。

しかし、本当に自分にやる気を起こさせることができるのは、自分自身で書いたものなのだ。

リストづくりの達人になるということは、自分が書いたものでモチベーションを高めることができるようになるということだ。

「細かいことを気にしすぎるとうまくいかない」という迷信がある。

少なくともリストについては、実際はその正反対だ。詳細なリストには、物事を実現する力があるのである。