63. 世界のよい面に目をむける

ヘレン・ケラーはこう言った。

「太陽に顔をむければ、影はいつでも自分の後ろにできる。」

この言葉で、彼女は楽観的思考について詩的に表現している。

彼女が言っているのは、自分が見るもの、自分が顔をむけているものが、人生の多くの部分を占めるようになるということだ。

そして見ていないもの、無視しているものは、後ろにできる影のように見えなくなる。

私たち現代人は、世の中のマイナス面に目をむけ、自分を犠牲者だと考える傾向がある。

社会が悪い、男女差別が悪い、政府が悪いと言って、すぐに自分以外の何かを責める。

問題にぶつかると、何か大きな不正のせいにして大げさに騒ぎ立てる。

ヘレン・ケラーは、複雑な家庭で育ったことを言い訳にしなかった。女性であることも言い訳にせず、行政から十分な障害者福祉が受けられないことも言い訳にしなかった。

彼女は、普通の人の何倍もの困難を抱えていた。それでも彼女は、自分の不幸に溺れることを拒否した。

障害を自分の全人生にすることを拒否した。太陽の光があふれているのに、影ばかり見て生きたくなかったからだ。

イギリス人作家のG・K・チェスタトンは、こう言った。

「どんなに悲観的な人でも、頭に拳銃を突きつけられれば、とたんに厭世的なことを言わなくなる。」

目の前に死の恐怖を突きつけられれば、この世界のすばらしさはいくらでも見つかる。

それは、突然生まれるわけではない。いつでも私たちの中にあり、表に出るのを待っているのだ。

大きな話題となった「明日へ歩む詩」という本の中で、著者のバリー・ニール・カウフマンは、自閉症の息子を育てた経験について語っている。

彼と妻の努力により、息子は自閉症という障害にも関わらず、幸せで外交的な人生を楽しむことができた。カウフマン夫妻は、息子の自閉症を悲観的に受け止めなかった。むしろ自分たちにとって大きな祝福だと考えることにした。

これは1つの選択だ。

影を見るのではなく、太陽に顔をむけることを選ぶのと同じだ。

カウフマンはこう言っている。

「世界をどう見るかによって、現実の世界の姿が決まるのです。」