54. 悪い習慣はよい習慣に置きかえる

タバコ、アルコール、食べ過ぎ・・・・・・、こうした悪い習慣はなかなかやめられない。

作家のリチャード・ブローディガンの言葉を借りれば、悪い習慣をやめる努力は、「干草用のピッチフォークで水銀をすくおうとする」ようなもの。

たしかにその通りだ。

悪い習慣がやめられないのは、それなりの存在理由があるからだ。大きな害の中に、必ず何か自分のためになることが含まれている。

たとえばタバコにだって、よい面はある。タバコを吸うと、呼吸が深くなってリラックスできる。ストレス解消に深呼吸は有効だ。

悪い習慣は概してこういうものだ。

その根底には、自分のためになる何かがある。だから簡単に捨ててしまうことができないのである。

そのため、悪い習慣をやめようとする努力は、どうしても挫折しがちになる。

それなう認めてしまおう。悪い習慣はやめられないと。

悪い習慣はやめるのではなく、他の習慣に置きかえるというのがよい方法だ。

そのためには、まず悪い習慣のメリットを理解しなければならない。すべてを否定するのではなく、よい面に目をむける。

そして、よい面を残した新しい習慣をつくりだす。

飲酒の習慣を例に考えてみよう。私の知り合いには、昔は昼間も飲んでいたが、今はまったく飲まない人が何人かいる。彼らはどうやって自分を変えたのだろうか?

私の知るかぎり、禁酒に成功した人は、飲酒の習慣を何か他の習慣に置きかえている。治療プログラムのAA(アルコホリック・アノニマス)に参加すると、酒の力で得られる「偽物の勇気」を「本物の勇気」に置きかえるという作業をする。

飲み仲間とは、強い絆で結ばれているように感じるが、そこにあるのは偽物の友情でしかない。これも本物の友情置きかえる。

禁煙する気はなかったのに、タバコをやめてしまう人がいる。彼らはたいてい、タバコをやめる前にジョギングなどの有酸素運動を始めている。

運動で深く呼吸し、リラックスできるようになると、喫煙が身体に悪いように感じてくる。つまり、彼らが禁煙できたのは、タバコの代わりになるリラックス法を手に入れたからなのだ。

ダイエットもこれと同じ。ダイエット成功の秘訣は、カロリーの高いものを食べないことではない。食事を、健康的で低カロリーな食事に置きかえることが成功の秘訣だ。

潜在意識は、悪い習慣を悪いと思っていない。あるニーズは満たしているのだから、役に立っていると考えている。

だから、まずニーズを認め、尊重することが大切だ。

そして、そのニーズを満たす別の方法を見つければいい。1つの習慣を置きかえることができれば、さらによい習慣を増やしたいという意欲がわいてくるだろう。