46. 毎日、自分自身に目標をアピールする

私は、1日の始めに、真っ白い紙に4つの円を描く。

4つの円は、それぞれ「私の1日」「私の1ヵ月」「私の1年」「私の一生」を表している。

私は、それぞれの円に、自分が手に入れたいものを書きこんでいく。

書きこむことは昨日と今日で変わってもかまわない。このエクササイズでは何をやっても正解だ。

こうやって目標を書くと、飛行機のパイロットになった気分になる。目標を書くのは、パイロットがフライト前に地図を確認するようなものだ。地図を見て、これからむかう場所を自分自身に教えるのだ。

日々の生活では、ほとんどの人が地図を確認せずに離陸している。飛行機にたとえるなら「どこに行ってもいいから、とりあえず離陸してくれ」と言っているようなものだ。

セミナーで、受講者から「目標設定する時間がない」という言葉を聞くことがあるが、この4つの円の方法なら、たった4分しかかからない。

ここで、私自身の体験を紹介しよう。

3年前、私は資金集めについてのセミナーをもっと増やしたいと考えた。テスト開催したセミナーが好評で、もっとやってみたくなったのだ。

私は、自宅の寝室の壁に白い掲示板をかけ、このセミナーについての目標を書いたカードをどんどん貼っていった。

カードの1枚には、太いマジックで「ASU」と書いた。これはアリゾナ州立大学の頭文字だ。私は、地元の名門大学でセミナーができたらすばらしいと考え、そのカードを書いた。それ以上の意味は特になかった。

ある日、私が働く社員教育企業に、新入社員としてジェリーが入社してきた。

私はジェリーを自分の席に呼び、座って少し話をした。家族について質問すると、彼は自分の両親が会社のある街に住んでいることや、母親がASUで働いていることを口にした。

普通なら、これは特に意味のない世間話だ。ASUは地元で有名な大学で、よく日常の会話に登場する。

しかしそのとき、私の中で何かが光った。それはきっと、毎朝「ASU」の文字を無意識のうちに目にしていたからだと思う。

「お母さんはASUでどんな仕事をしているんですか」とたずねると「ASU基金開発部長のチーフアシスタント、大学の資金集めの担当です」とジェリーは答えた。

私はそれを聞いてうれしくなった。そしてジェリーに、私の目標の話をした。ジェリーは、喜んで母親と開発部長に私を紹介すると言ってくれた。

そして1ヵ月もしないうちに、私はASUでセミナーを開催することになった。目標の1つを実現したのだ。

もし自分の寝室にあの掲示板をかけていなかったら、ジェリーとの会話で「ASU」という言葉を聞いても、そのまま流してしまっていただろう。

この体験は、あるとても重要なことを物語っている。それは、人は自分の目標を自分にむかって宣伝しなければならないということだ。

自分にとって大切なものはなんなのか、普段から自分に言い聞かせていないと、周囲の人や出来事に注意力を奪われ、目標をすっかり忘れて日々を過ごしてしまうのだ。