20. つらいことの中から「楽しさ」を見つける

元ドラッグ依存症患者で、小説「裸のランチ」で知られる作家のウィリアム・バロウズは、ドラッグ依存症を克服したときに、とても興味深く、彼にとっては皮肉な発見をした。

それは、「ドラッグで得られる感覚は、すべてドラッグなしでも手に入る」という発見だ。

たしかに、何か楽しいことをしているとき、たとえば、恋人を抱きしめたり、腹の底から笑ったり、歌ったり踊ったりするとき、あるいはランニングしているときなどには、脳内にはエネルギーを高めるドラッグのような効果のある脳内物質が分泌される。

でもなんにも楽しいことがないときには、どうすればいいのだろう?

楽しいことは何もないと思うかもしれないが、人間の限界はそこにはない。つまらないこと、つらいことでも、人間は楽しいことやおもしろいことに変えられることがわかっている。

ナチスの強制収容所での体験をつづった「夜と霧」の作者であるビクトール・フランクルは、収容所の過酷な環境でも、頭の中に自分だけの新しい世界をつくりだせた囚人がいたと報告している。

そんなことはありえないと思うかもしれないが、本当に想像力の豊かな人は、収容所の極限状態でも、創造性を発揮して、自らの脳内物質をコントロールできたのである。

楽しい気分になりたいのなら、「何か楽しいことはないかな?」と、自分の外側の世界を探してはいけない。楽しさは、あなたの外側には存在しない。あなたの内側にあるのだ。

楽しさとは、あなたの外側で起こる偶然の出来事から生まれるのではない。

楽しさは、あなた自身のエネルギー・システムの中にある。

頭と心で、あなたがその事柄を「楽しいことだ」と意義づけることから、楽しい気分は生まれるのだ。

殿堂入りを果たした偉大なフットボール選手フラン・ターケントンも、自分のすることをすべて楽しむという生き方を勧めている。

彼はこう言った。

「もし楽しくないのなら、それはあなたのやり方が間違っているからだ。」

こんな誓いを立ててはどうだろう。

「これからは、もう自分が楽しいと思うことしかしない」

では、やらなければならないことが、楽しく感じられなかったら?

そんなときこそ、あなたの想像力と創意工夫で、楽しいところを見つけるのだ。自分自身のエネルギー・システムをコントロールして、楽しい気持ちを高めることは不可能ではない。