19. 何もせず、部屋で1人静かに座る

フランス人の哲学者、ブレーズ・パスカルはこう言っている。

「人間の問題はすべて、自分の部屋に1人で静かに座っていられないことから生まれている。」

問題の一部ではない。静かに座っていられないことは、すべての問題の原因だとパスカルは言っている。

私はセミナーで、ときどきこんな質問を受けることがある。

「なぜ最高のアイデアというものは、シャワーの最中に浮かんでくるのでしょうか」

私はいつも、逆にこうたずねるようにしている。

「シャワーの時間以外に、完全に1人になれる時間はありますか?」

シャワーを浴びているときに最高のアイデアを思いつくのは、1人になれる唯一の時間だからだ。

シャワーの時間は、テレビも映画も観ていない。家族もいない。ペットもいない。何にもじゃまをされず、自分自身と対話することができる。

プラトンはこう言った。

「思考とは、魂と魂の対話である。」

人が1人になることを避けるのは、外側からの刺激のある生活に慣れてしまったからだ。

だから、1人になって、外からの刺激がなくなることには耐えられなくなっている。

大量の情報を無防備に浴びていると、精神が混沌としてしまう。その結果、いつもそわそした、落ち着かない人になってしまう。本当に世界を理解しようとするなら、自分自を世界から切り離す必要があるのだ。

自分自身を世界から切り離すにはどうすればいいか?

フランツ・カフカはこう言っている。

「部屋を出る必要はない。ただ机にむかって座り、耳を傾ける。いや、耳を傾ける必要もない。ただ待てばいい。いや、待つ必要もない。ただ黙っている。そして1人になる。すると世界は、自分から本当の姿を見せてくれるだろう。」

自分のやる気を高められるのは自分自身だ。内側から生まれたやる気だけが、本物のやる気だと断言してもいい。

とすれば、本物のやる気を手に入れるには、1人になって、じっくりと自分自身とむき合う必要がある。

1人になり、静かに座る。周りには誰もいない。完全にリラックスする。テレビもつけない。音楽も流さない。ただ自分自身と対面する。

そうやってしばらく時間を過ごし、自分の変化を注意深く見守ろう。

五感を研ぎ澄ませて、自分の内側からわいてくるインスピレーションに耳を傾けてみよう。

1人で静かに座っていると、理想の人生を実現するヒントが浮かんでくる。同時に理想を実現するモチベーションも高まってくる。

現代に生きる私たちは、いつも大量の情報に囲まれ、いつも誰かとつながっている。そんな状況で生きる道は2つに1つ、自分の夢を実現するか、または他人の夢を生きるかだ。自分の夢を形にするために時間を使わなければ、夢をかなえた他人を眺めるだけの人生になってしまうのだ。