17. 大きな仕事にはのろのろと取りかかる

大きな仕事というものは、永遠に片づかないような気がするものだ。その仕事を最後までやりきることを想像するだけでうんざりして、やる気なんて出るわけがない。

しかし、こんなときにモチベーションを高めるいい方法がある。

自分が世界一の怠け者になったつもりで、その仕事に取りかかるのである。

いやいやながら、のろのろと仕事をするのを自分に許可する。スローモーションでゆっくり動き、まるで水でできた人みたいに、どろーんと仕事の中に流れこんでいく。

これは、やってみればとても楽しい。しかも、こうやってのろのろと仕事を始めてしまえば、始める前の面倒だという思いも不安な気持ちも、きれいに消えてなくなってしまう。

さらに、不思議なことに、気合いを入れててきぱきと仕事に取りかかるより、ゆっくり始めるほうが、仕事は早く終わるのである。

「やりたくない」という思いでいっぱいになってしまうのは、手早く効率的に片づけなければいけないと思うからだ。「嫌な仕事にも情熱を持って取り組む自分」というイメージにうんざりしてしまい、仕事そのものまで嫌になってしまうのだ。

しかし、「のろのろと始める自分」というイメージなら、気持ちが楽になる。

それに、たとえゆっくりでも、とにかく実際に始めることもできる。どんな仕事でも、始めればいつか必ず終わる。

自動車産業の育ての親として有名なヘンリー・フォードはこう言っている。

「どんな仕事でも、十分に小さく分割すれば必ず片づけることができる。」

たとえゆっくりでも、一度始めてしまえば、自然に仕事のスピードは加速していく。身体のリズムが仕事のリズムとシンクロし、実際に作業を始めると、無意識のうちに身体が動き始める。

だから、最初のうちは時間をかけよう。

思いっきりのろのろと始めよう。

重要なのは行動の速さではない。いちばん大切なのは、実際に行動しているという事実そのものだ。

始めてしまえば、すぐにリズムが生まれる。リズムはあなたの中にある。

そんなにあわてなくても大丈夫。ゆっくりとマッチをすり、眠ったダイナマイトに火をつけてやればいい。