16. 楽観的な考え方を練習して、身につける

子どもとバスケットボールをしたことのある人ならわかるだろうが、たいていの子どもは、自分の利き腕だけでドリブルし、もう片方の手は使わない。コーチはそんな子どもにこうアドバイスする。

「ビリー、きみはいつも同じ手でドリブルしているよ。それだとプレーの幅が狭くなって、相手のディフェンダーに押さえられてしまう。反対の手でもドリブルしてごらん。そうすれば相手のディフェンダーも、きみがどっちに行こうとしているのかわからないから」

それを聞いたビリーは、こう言うかもしれない。

「できません」

するとコーチは笑顔を浮かべ、こう質問する。

「できないって、どういうことかな?」

ビリーは、実際に利き腕ではないほうでドリブルしてみせる。ボールはあっちこっちへ飛んでいきまともなドリブルにならない。

そこでコーチは言う。

「できないんじゃないんだよ。まだ練習していないだけだ。」

練習すれば、利き腕ではないほうでも、利き腕と同じくらい上手にドリブルができるようになる。すべては慣れの問題だ。

必要なのは、時間をかけて練習することだけ。利き腕でないほうで何度もドリブルの練習をすれば、コーチの言う通りに、利き腕と同じくらい上手にドリブルできるようになる。

これと同じ原則は、思考の習慣にもあてはまる。人は誰でも、たいていある決まった思考パターンを持っている。悲観的な思考パターンになっているなら「利き腕」でないほうでドリブルの練習をすればいい。

つまり、意識して楽観的に考えるようにするということだ。

何度もくり返していれば、楽観的な思考が自然にできるようになる。

昔の私は、シニカルで悲観的だった。どうしてそんなに悲観的なのかと誰かにたずねられたら、あのころの私なら「これが私なんだ。他の人間になんかなれないよ」と答えただろう。

しかし、今考えれば、それは正しい答えではなかった。ただ「楽観的な思考は練習したことがないだけ」というのが正しい答えだ。

思考パターンも、ドリブルと同じだ。

悲観的な思考のドリブルをくり返せば、悲観的な思考が習慣になるし、楽観的な思考をくり返して練習すれば、それが習慣になる。

深く根づいた思考パターンはたった2、3回の練習では変わらないが、つづけていれば、新しい習慣ができるまでにそれほど時間はかからない。

かつて悲観主義だった私だからこそ断言できる。

思考パターンは変えられる。ゆっくりではあるが、確実に変えることができる。

そして変化を起こすのはあなた自身だ。思考を1つずつ、着実に変えていく。どちらかの手でドリブルできるなら、もう片方の手でも必ずドリブルできるのだ。