15. 忙しいときほど計画に時間をかける

落ちこんでいるとき、怒っているとき、動揺しているときには、なかなか新しいことを始めようなんていう気分にはなれないものだ。

しかしナポレオン・ヒルは、そんなときこそある人生のルールを学ぶのに最適だと主張する。それはかなり変わったルールだ。

「悲しみや落ちこみといったネガティブな感情は、明確に計画された仕事で、別の感情に変化させることができる。これは最高の人生のルールである。」

もう何年も前の話になるが、私は社員研修を請け負う会社でインストラクターをしていた。その会社の専門は時間管理だ。ビジネスパーソンを対象に、仕事の時間を最大限に有効活用する方法を教えるのである。

私たちの基本的なメッセージはこうだった。

「計画に1時間かければ、実施時間を3時間節約できる」

たいていの人は、計画のために1時間をかける余裕などないと考える。毎日、片づけるべき問題がたくさんあるからだ。しかし、そもそも問題のほとんどは、計画を立てなかったことが原因で生まれている。

多くの人は、計画の価値を理解していない。計画のための1時間はもっとも生産的な1時間だ。明確な計画は、目的意識をはっきりさせ、エネルギーを引きだしてくれる。

計画を立てない人は、何も考えずにふらりと職場に現れ、危機が起こるたびにただた反応している。その危機のほとんどは、事前に計画を立てないことが原因で起こっている。

友人のカーク・ネルソンは、ある大手ラジオ局で大勢のセールススタッフを統括している。彼はごく普通のサラリーマン人生を送っていたが、仕事の計画を立てるようになってから大きく飛躍した。

今は毎週末、2時間かけてパソコンで次の週の綿密な計画を立てている。「これを始めてから人生が変わったよ」と彼は言う。

「計画のおかげで仕事の能率は3倍になった。そして人生をコントロールしていると実感できるようになった。同じ仕事でも、自分の仕事だと感じる。同じ1週間でも、自分の1週間だと感じる。それに人生も、これは自分の人生だと感じるようになった。」

明確な目的意識を持って仕事をしているときに、気分が落ちこむ余地はない。明確な仕事の計画を立てることを習慣にすれば、モチベーションが高まり、心配事は減る。