14. オーディオブックで移動時間を図書館にする

私たち現代人にとって、移動の時間は、モチベーションを高める大きなチャンスだ。

移動時間を気分転換のための自由時間にばかり使っている人は、気づかないうちに自分の精神を低下させてしまっている。

移動時間の使い方でもっと悪いのは、ゴシップや災害事件などのニュースを読んだり聞いたりすることだ。そうしたニュースは、いつの間にか、あなたの人生観をゆがめる可能性があるからだ。

先ほどもニュース番組の目的は、読んだり聴いたりしている人にショックを与えることだとお伝えした。そのため、全国から選りすぐりのショッキングな話が集められ、それがニュースとして紹介される。

私がこう断言するのは、マスコミで働いていた経験があるからだ。

私の職場では、殺人やレイプなどの事件が何もなかった日は、デスクがパニックを起こしていたものだ。そんなときは、通信社が送ってくるニュースをしらみつぶしに調べ、なんとかして事件を探しだす。死亡事故が見つからなかったら、仕方なく、もう少しで死ぬところだったという事故でがまんするのである。

私は何もこうしたジャーナリズムが悪いと言っているわけではない。彼らは、ただショッキングなニュースを知りたいという人々のニーズに応えているだけだ。人々が求めるものを提供しているわけだから、ある意味で立派なサービスだ。

問題は、ニュースを情報源にしていると、悪いニュースばかりの世界が本当の世界だと思えてくることだ。実際のところ、ニュースの世界は本当の世界ではない。興味をひきつけるために、特別に悪い部分だけを集めているのがニュースの世界だ。

なぜ、そんなことをするのかと言えば、それは広告のためだ。人はショックを受けると、目や耳が釘づけになってしまう。それはスポンサーにとって都合がいいことなのだ。

脳に取り入れる情報は、注意して選ばなければならない。テレビやインターネットのゴシップニュースに影響されるのは、自分の思考のコントロールを放棄するようなものだ。

脳に取り入れる情報源として、私がお勧めするのは、オーディオブックだ。

今や膨大な種類のオーディオブックが出ている。これを活用すれば、移動の時間は勉強の時間にもなるし、自己啓発の時間にもなる。

現代人は移動に多くの時間を費やしている。その時間に勉強をすれば、3ヵ月で大学の1学期分の勉強ができるという調査結果もある。私自身も、車で聴いたオーディオブックで気持ちが前向きになり、仕事への熱意が高まった経験が何度もある。

特に印象深いのは、ウェイン・ダイアーの「自分の偉大さは自分で選ぶ(Choosing Your Own Greatness)」というテープを聴いたときのことだ。

「何かが手に入ったら幸せになれるという考えは間違っている」長い時間をかけてそう訴えたあとで、ダイアーはこう言った。

「道の途上にあることが幸せなのです」

この言葉は、聞いた瞬間に私の胸に深く染みこんだ。そしてあれ以来、ずっと胸の中にとどまっている。

これは特に新しい考えではないが、優しく話しかけるような言葉のおかげで、私は初めて胸にすとんと落ちるように理解できた。

これがオーディオブックの力だ。

声を聞いていると、まるで一対一で話しているような親密な雰囲気になる。それが独特の学習効果につながるのだ。

オーディオブックを探せば、あなたもきっと、お気に入りの先生が見つかるだろう。もう、わざわざ図書館に行く時間をつくる必要はない。移動時間が図書館になるのだ。