家族はどう接したらいい?


< 家族はどう接したらいい? >

■ うつ病のサインを見逃さない
うつ病を発症した人は、症状がとてもつらいにもかかわらず、自分がうつ病にかかっていることに最初は気づきません。仕事がはかどらなくなったりミスが増えても、自分の努力が足りないせいだと考え、誰にも助けを求めず頑張りすぎてしまうことがあります。気分がひどく落ち込んでいる様子や、布団から出れなくなってしまう様子を見て、家族は異変に気づきます。

周りの人が気づく「うつ病」のサイン
・仕事でミスが増える、仕事が進まない、仕事に集中できないようだ
・身体のだるさ、腹痛、頭痛、頭重を訴える
・食欲がないようだ、または食欲がありすぎる
・人を避けるようになった
・お酒を飲む量が増えている、毎日飲んでいる
・寝不足気味で、朝からつらそうな表情をしている
・イライラして不機嫌そう、精神的に不安定な様子が目立つ
・口数が減り、ため息をつくことが多い
・動きが緩慢になり、話し方がゆっくりになった
・外見や服装を気にしなくなった、風呂に入らず、ひげもそっていない
・トイレに行く頻度が増えている(下痢になることがあるため)
・表情は暗く、無表情になり、ぼんやりしていることが増えた


■ 接し方のポイントは「特別扱いしない」
うつ病の人には、「がんばって」などの励ましの言葉が負担に感じることがあります。家族としてはよかれと思ってかける言葉も、本人には通じなかったり負担になることがあります。「散歩でもしてみれば?」という何気ない言葉でも、本人にとっては負担に感じることがあります。「そんな簡単なこともできない」と自分を責めてつらくなってしまうのです。気分転換をすすめられると重く感じることもあります。また、家族に「申し訳ない」「心配をかけたくない」との思いから、家族のすすめに無理に応じて悪化することもあります。ささいなことでも同じことを2度言われると、何度もしつこく責められているように感じてしまいます。一緒にいる家族は心配し、なんとか元気づけたいと思っていますが、励ます代わりにどのように声をかけたらいいのかわかりません。

本人は周りの人にどうしてほしいと思っているでしょう。多くの方の心の声は次のようなものです。
「無理に話しかけないでほしい・・・」
「心配しすぎないでほしい・・・」
「近くにいて見守っていてくれるだけでいい・・・」
「でも時々は話しかけてほしい・・・」

家族は本人の様子をよく見ながら、本人の話したいタイミングと気分に合わせて話をすることが大切です。本人がつらそうにしているときは、話をするよりも話を聴く姿勢で接するとよいでしょう。 接し方のポイントをまとめると、次のようになります。
・特別扱いせずに、いつもどおりに接する
・励ましすぎない
・退職や離婚など重大な決断はせず、先送りにする
・本人の言うことをよく聞き、否定せずに受け止める
・日常生活のなかで本人のできないことは援助して、できることは本人に任せる
・治療を全面的にサポートすることを伝えておく


■ 本人を追い詰める言葉かけ「禁句」に注意
・「がんばって!」
本人は、これ以上がんばれないところまでがんばっています。エネルギーが底をついている本人にこの言葉をかけるとさらに追い詰めてしまう場合があります。

・「いつになったら治るの?」
本人は責められているように感じます。病気を治さないといけないと一番あせっているのが本人です。この言葉をかけられると、より焦りを強くして回復を長引かせてしまいます。

・「怠けているだけじゃないの?」
これは全く誤解に基づく発言です。本人は、うつ病の症状によって気分がひどく落ち込み、身体がだるくて重くて動かないのです。周囲の人は正しいうつ病の知識を持つことが大切です。

・「なぜこんな病気になったのか?」 病気のきっかけを話題にしない。取り返しのつかない過去のことを考えさせることはしない。本人は責められているように感じます。「これからがんばればいい」などと気軽に励ますのもよくありません。

・「性格を変えないといけないね」
性格を指摘すると、本人はますます自分を責めるようになります。性格には、誰でも良い面と悪い面の両方があることを本人も周りの人も理解することが大切。

・「気分の落ち込みは誰にでもあることだ」
嫌なことがあると気分が落ち込むことは誰にでもあるが、うつ病による憂うつ感は日常的な気分とは全く異なるものです。それをいわれると、本人はさらにつらい気持ちになります。


■ お互いの気持ちが「交差」しないために
うつ病に苦しむ人は、「この病気のつらさは誰にもわかってもらえない・・・」と思っています。うつ病の症状がとても苦しいうえに、それが誰にもわかってもらえないことで、さらに気持ちが暗くふさぎこんでしまいます。誰にも相談したくなくなり、ますます孤独感で苦しくなります。しかし、周りの人たちは、うつ病の人の苦しそうな様子をみて、気持ちを理解したい、何かできることをしてあげたいと思っているものです。けれども、自分がうつ病を体験したことがないため、本人が感じている本当のつらさがわからず、戸惑っていることがよくあります。家族や友人・恋人など、身近な人がうつ病になったときほど、うつ病のつらさを軽く考えてしまいがちです。身近な人が苦しんでいる様子は見たくない、すぐに元気になってほしいと思ったり、サボっているだけじゃないかと腹を立てたり、つい本人のつらい気持ちを考えなくなります。お互いの気持ちが交差し、お互いがますますつらい気持ちになっていきます。

家族や友人・恋人など、身近な人がうつ病になったときは、周りの人がうつ病に関する本を読んだり、専門家の話を聞いたりして、「うつ病の正確な専門知識をつける」こと、「うつ病になったほかの人の体験談を見聞きする」ことで、うつ病で苦しんでいる人の気持ちをより理解できるようになります。また、周りの人が正確なうつ病の知識を身につけるようになると、うつ病の人は「自分のことを理解してくれようとしている」と思い、気持ちが楽になることがあります。

気持ちが「交差」しないためのポイント
・本人は周りが思っている以上に苦しんでいることを理解する
・「つらさを分かってもらえない」ことが本人にとって一番つらい
・家族はうつ病の人のつらさは「理解できない」ことを理解する
・周りの人がうつ病について正確な知識を身につけ、本人のつらさを「理解しよう」とする


■ 共倒れにならないために正しい知識を
うつ病の治療は長期にわたります。いっしょに暮らす家族が共倒れにならたいために次の4つのことが必要です。

・正しい知識
・専門家(医師・心理士)
・仲間、友だち
・できることは本人にまかせる

「正しい知識」
うつ病はどのような病気か、本人はどのようにつらいのか、社会的にどのような支援を受けられるのか、家族はどのような対応をするのがいいのか、など正しい知識を得ることは大切です。本、インターネット、医師、心理士、自助グループなどから信頼できる情報を得ることができます。ただし、インターネットの口コミの情報は偏っていたり、間違ったものもあるので注意が必要です。

「専門家」「仲間・友だち」
うつ病の人を家族が自分たちだけで支えようと考えるのは賢明ではありません。長い療養生活を覚悟し、専門家の話を聞きにいったり、同じ境遇の仲間と話をしたり、友だちにグチを言ったりして家族も心の健康を保つことが大切です。ためらわずに、専門家、仲間・友だちの援助を求めましょう。

「できることは本人にまかせる」
急性期(寝たきりの時期)を除いて、本人の身の回りのことでできることは基本的に本人にまかせたほうがよいでしょう。本人の状態をよくみて、なにができてなにができないかを周りが判断して、本人にたずねてみるとよいでしょう。できることの例としては、カーテンを開ける(閉める)、たまねぎの皮をむく、テーブルを拭く、洗濯物を取り入れる、ゴミ出し、などです。できないことの例としては、買い物に行く、掃除機をかける、布団を干す、料理をする、電話に出る、などです。少しでも自分の身の回りのことや家事の手伝いができると、本人の自己肯定感も高まります。また、家族の負担も軽減するので一石二鳥です。


■ 自殺予防について
うつ病の人の多くは「死」を考えます。しかし、家族が心配しすぎるとかえって本人の負担になることがあります。無理に話しかけようとせず、少し離れたところから見守るような関わり方が理想です。 自殺の兆候やきっかけはさまざまですが、次のようなことが起こったときは注意が必要です。

・ささいなことで激怒しトラブルを起こす
・失踪し連絡がつかなくなる
・仕事をクビになる。
・お酒をあびるように飲むようになる
・通院やカウンセリングに行かなくなる
・重い身体の病気にかかる
・自殺をほのめかすことを言う

万が一の衝動的な行動に備えて、自殺につながる物品を室内の目につくところに置かないように注意を払いましょう。

・刃物、ひも、ロープは見えないところに片付けておく
・無意識にベランダに出てしまわないように、常に鍵をかけておく
・薬は家族が管理し、毎日一日分を渡すようにする

本人が自殺を考えている様子であれば、家族のほうから思い切って自殺のことを話題にするとよいでしょう。本人はつらくて助けてほしいと思っているので、家族が真剣に問いかければ、本人も本心を打ち明けてくれるでしょう。家族は、自殺のことを話題にすると自殺の引き金になってしまうのではと考えてしまいますが、真剣に正直に話をすればそのような心配はありません。また、死にたくなるのはうつ病の症状であることも伝えましょう。家族はあわてず、否定せず、自分の意見を押し付けず、じっくりと話を聞き「死にたいくらいのつらさ」に理解を示しましょう。そして、「死なないでほしい」「あなたが死んだら悲しい」と正直に気持ちを伝えてください。そのうえで、「絶対に自殺をしない」と約束をしてもらいます。

「死にたいと」いわれたときの対処法
・ゆっくり話を聞く(叱らない、否定しない、冗談扱いしない)
・気持ちを受け止める(意見を述べたり、指示をしない)
・死にたくなるのはうつ病の症状だと伝える(治療をすれば治ると伝える)

自殺が心配なとき、無料で相談できる窓口があります。地域によって電話番号が異なりますので、いざというときのために連絡先を確認しておくとよいでしょう。

・いのちの電話
・こころの耳(厚生労働省) (こちらのリンクをご参照ください)


■ イライラをぶつけてきたときはどうする?
療養生活が長引くと、本人はイライラしがちになり、家族に大声を上げたり、暴言を吐くことがあります。家族としては、一生懸命看病しているのに理不尽なことを言われて腹立たしい気持ちになります。イライラして暴言を吐くのは病気のせいだと考えるようにしても、腹立たしい気持ちはおさまりません。あまりに腹が立って、言い返してしまうこともあります。また、「どうせ自分なんて・・・」など、自虐的な発言を何度も繰り返されると、聞いているほうもだんだんと気分が滅入ったり、腹が立ってくることがあります。本人の暴言にしても自虐的な発言にしても、家族がそれにイライラしてしまうとお互いに疲れてしまいます。そのようなときは、イライラせずに本人に対応するテクニックを使ってみましょう。

暴言や自虐的な発言に対処する3段階のテクニック

①反復:本人の言ったことを鏡にように伝え返す。
②共感:本人の気持ちを想像して、親身に伝える
③「私」を主語にして気持ちを伝える:正直な気持ちを伝える

<例1>
本人「オレのことを役立たずだと思ってんだろ!」(暴言)

あなた「自分のこと、役立たずだと思っているのね」(①反復)

あなた「それはつらいよね・・・」(②共感)

あなた「私は、あなたの○○がいいところだと思っている。○○は私にとって役立っていると思うよ」(③「私」を主語にして気持ちを伝える)

<例2>
本人「会社でも家でも、自分なんて何の価値も無い・・・」(自虐的な発言)

あなた「何も価値が無いって思うのね」(①反復)

あなた「そうなんだね・・・」(②共感)

あなた「でも私は、あなたがいるだけでがんばろうって思えるよ」(③「私」を主語にして気持ちを伝える)

この3段階のテクニックは、最初は難しく感じるものですが、意識して続けるとうまくできるようになります。このテクニックを意識して使うことで、本人は現在の状況、自分の気持ちを客観的にみることができるようになります。


■ 本人との距離のとりかた
家族は、うつ病の人の病気を回復させなくてはと責任を感じるあまり、ついつい世話を焼きすぎてしまいがちです。しかし、療養期間が長くなると、しだいに本人にも家族にもストレスや疲れがたまってきます。そのため、一緒にいるとお互いにイライラして小言を言ったり暴言を吐いたりしてしまいます。そうした状況であれば、本人と家族は距離をとる必要があるかもしれません。本人は、家族がそばにいてくれることで安心感がある一方で、気疲れを感じることもあります。そのため、ときにはひとりになりたいと思うこともあります。しかし、ひとりになりたいと思っても、家族に申し訳ないと思い、自分からはなかなか言い出せません。本人が次のように感じていれば、距離をとったほうがよいでしょう。様子をみて、さりげなくたずねてみましょう。

・家族に見張られているように感じて息苦しい
・ひとりになりたいと思っている
・家族からのアドバイスを重く感じる
・家族から心配されることも重く感じる

家族は自殺を心配してそばについていようとしますが、本人が思いつめて切迫した状態でなければ、距離をおいて見守っても大丈夫です。思いきって家族が昼間はパートなどの仕事に出ることで、かえってよい結果につながる場合もあります。

・本人の心理的負担が軽くなる
・経済的な不安が軽くなる
・家族の気晴らしになる

家族が心身ともに元気でいることは、本人のこころの安定につながり病気の回復を促進します。


■ 何を話したらいいかわからない
「調子はどう?」「疲れはたまってない?」などと気にかけてくれると嬉しいものです。しかし、本人を元気づけようとして、無理にほめたりなぐさめたり明るく振舞ったりするのは逆効果です。家族には、気を遣いすぎないでふだんどおりでいてほしいと思っています。

なにげない会話とは?
・天気、気候の話
・学校での出来事
・一緒に見ているテレビの感想
・食べ物の話
・最近あった面白い出来事
・飼っているペットの話

自分のことを気遣ってほしいと思いつつも、いつも病気のことが話題になると負担になります。本人に話しかけなくても、家族同士がふだんどおりのなにげない会話を楽しんでいることが、本人にとって一番心地よく、こころが癒されます。


■ うつ病の再発について
うつ病は再発率が非常に高いといわれています。一度うつ病になった人は約60%が一年以内に再発するともいわれています。そして再発したことのある人が再々発する率は70~85%にものぼるともいわれています。再発すると、またふりだしに戻ってしまった、もう一生治らないんじゃないかと考え落ち込んでしまいます。うつ病は、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら徐々に回復していきます。本人も周りの人の回復を実感し始めた頃に再発のリスクが高くなります。

「今まで長く休んでいたし、これからバリバリがんばらないと」(がんばりすぎてしてしまう)
「もうこれ以上、人に迷惑をかけないようにしなくては」(無理をしてしまう)
「来週から仕事に復帰だ」(発病したときの環境と同じ環境に戻る)
休職が長引くと、職場から自分の席がなくなってしまうのではないかとあせり、復職を急ぐ場合があります。復職の時期が早すぎると、再発のリスクが高まります。復職してしばらくすると、眠れなくなり、再発したかもしれないと思っても、なんとかごまかしながら出社します。こうなると、状態は悪化して、すぐに会社にいけなくなります。早すぎる復職は注意が必要です。再発したとき本人は心の余裕がなくなり、周りの人が先に再発に気づく場合があります。うつ病から回復したと思っても安心してしまわず、3ケ月~半年くらいの時間をかけて、焦らずゆっくり元の環境に戻していくことが大切です。


■ 再発予防について
うつ病の症状が落ち着いて、職場に復帰したり家事を再開すると、本人はこれまでの遅れを取り戻そうと無理をしてがんばろうとします。家族は再発に注意する必要があります。うつ病は再発しやすい病気だと一般にも知られていますから、本人も気をつけているはずです。しかし、本人は気づかなかったり、気づいても何も対応しないこともあります。その場合は、家族が早めに気づいて対応するしかありません。うつ病の再発に家族は落胆しますが、本人も同じです。騒がず批判せず、冷静に対処しましょう。あらかじめどのように対処するとよいか本人と相談しておくと、いざというときあわてなくてすみます。


■ うつ病再発のサイン
表情が暗くなることが再発のサインといわれますが、実際には判断しづらいものです。状態が落ち着いていても、笑顔はほとんどないためです。次のようなことがあれば再発の可能性があります。

・不眠、十分に眠れないようす
・イライラしている
・人を避けるようになった
・動きがにぶく、のろい
・呆然としている
・お酒を飲むようになった、または量が増えた
・食欲がない、またはありすぎる
・すぐに怒る
・話し方がゆっくりになった
・不機嫌そうなようすが多くなった

家族が再発に気づいてやさしく注意をうながしても、本人は何も聞き入れないことがあります。以前感じたどん底の気分に比べると、まだ大丈夫だと思っているかもしれません。本人の自覚がなく、再発していることに気づいていないこともあります。また、再発を認めたくないという気持ちもあります。再発するかもしれないと覚悟はしていても、いざ実際に再発が疑われたときには落胆し、否定したい気持ちになります。また、回復してから、気分爽快で明らかに気分が高揚している(元気すぎる)ようでしたら、双極性障害(躁うつ病)の躁状態である可能性があります。様子がおかしいと感じたらすぐに専門家に相談してください。


■ 躁のサインに注意
次のような行動がみられるとき、躁状態の可能性があります。
・眠らなくても平気で活動する。
・気持ちが大きくなり、お金を浪費するようになる
・活動的で落ち着きがなくなり、じっとしていられない
・大声で笑ったり、大声でしゃべり続ける

うつ状態から躁状態に変わることを「躁転」といいます。躁転する人は、元々うつ病ではなく、双極性障害だったと考えられます。以前はうつ病の症状だけが出ていたのです。また、SSRIなどの抗うつ薬の副作用で躁転することもあります。躁状態のときは本人は気分が高揚し、絶好調だと感じています。自分では再発(躁転)しているとは思えないものですが、家族は本人に状態を伝え、早めに専門家に相談してください。


■ 復職後の家族の接し方
うつ病の自宅療養を経て復職を果たした家族(夫)にどのように接するとよいのでしょうか。まず、毎日の通勤と仕事で疲れて帰宅する夫を、家庭では十分にねぎらってください。その日の様子が気になっても、「今日はどうだった?」「大丈夫だった?」などと質問を浴びせるのはよくありません。本人はあまり話したくないことかもしれません。本人から話すようでしたら、じっくりを話を聞き、理解を示しましょう。家庭では、ゆっくり休める環境が整っていることが大切です。静かでくつろげる雰囲気づくりを心がけてください。同時に家族は、本人の生活面をさりげなく観察し、表情や態度、食欲、睡眠、飲酒量、体調など、うつ病のサインが現れていないかチェックします。本人がリラックスできる環境を作りながら再発の兆候がないかよく観察し続けることが家族にできる再発予防の大きなポイントとといえます。

仕事から帰ってきたときの接し方のポイント
・十分にねぎらう
・質問をし過ぎない
・話を「聞く」姿勢で接する
・ゆっくり休める「環境」が大事
・さりげなく再発の兆候がないかチェックする


■ 食事は食べたい物を食べたいだけ
うつ病の治療中は、食欲も落ちて、食事をとるのもつらいかもしれません。しかし、ゆっくりと療養生活を送っていると、次第に食欲は回復してきます。家庭では、消化のよいメニューを少しずつ食べるようにしてください。食べることを無理強いせず、楽しい雰囲気のなかで本人の食べたいものを食べたいだけ食べられるよう、家族が協力してください。うつ病は脳の神経伝達物質が不足したりして、脳の機能がうまく働かなくなることで起こる病気です。栄養バランスの良い食事(ビタミン、ミネラル、良質のたんぱく質)はダメージを受けた脳の機能回復にも役立ち、ストレス耐性も高めます。また、脳の本来の働きを取り戻すためには「生活リズム」が重要であることも明らかになっています。毎日決まった時間に寝起きすること、規則正しく3度の食事を摂るようにすることで生活リズムが整い、脳の働きが正常化します。


■ 「低血糖症」に注意
好きなものを好きなだけ食べると、栄養が偏ってしまうことがあります。特に、ストレス解消のためにお菓子やご飯を食べ過ぎてしまう人は「炭水化物(糖質)」の摂りすぎに注意が必要です。炭水化物を消化する過程でビタミンB群が使われます。ビタミンB群は「代謝ビタミン」ともよばれ、体内での正常な代謝と、エネルギーをつくり出すのに欠かせない栄養素です。甘いものの食べすぎや過食など糖質の過剰摂取によって、ビタミンB群は大量に消費されてしまいます。ビタミンB群が欠乏すると、疲れやすい、イライラする、集中力が続かない、頭が痛くなる、といった症状が出てきます。また、甘いものを食べた後の精神状態の悪化は「低血糖」が原因になっている場合もあります(低血糖症についてはこちら)。炭水化物(糖質)の摂りすぎを控えるとともに、ビタミンB群を豊富に含む食事を心がけるとよいでしょう。



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