ストレスとうまくつきあう「ストレスコーピング」( 5ページ/全14ページ )


5.「気分・感情」を書き出そう

思考は「頭」に浮かぶ考えやイメージです。それでは「気分・感情」はどこで感じるのでしょう。気分や感情は「身体で感じる」感覚的なものとしてとらえます。

例を挙げましょう。仕事で上司から理不尽なことで注意を受けたとします。

■ ストレスの出来事:上司から理不尽な注意を受けた。
■ 自動思考:
「どうして自分がこんなことを言われないといけないのか!」
「他の人の失敗なのに!自分は悪くないのに!」
「いつも自分ばかり怒られる、嫌われてるのかな。」
■ 気分・感情:
イライラ、怒り、悲しい、憂うつ、むなしい

気分・感情は、「短い言葉もしくはひとつの単語」で言い表されるのが特徴です。身体の感覚を感情表現を使って「ラベリング」したものともいえます。頭で考えている「思考」と身体で感じている「気分・感情」は別のものであるという理解がとても重要です。

◇ 「思考」→ 頭で考えていること → 心(頭)のつぶやきで「文章」になっている
◇ 「気分・感情」→ 身体で感じる感覚的なもの → 短い言葉(ひとつの単語)で表現できる

気分や感情は、喜怒哀楽をはじめ、心のあらゆる状態をあらわすものですから、たくさんの言葉や表現があります。「うれしい」「楽しい」「おもしろい」といったポジティブなもの、「イライラ」「悲しい」「怖い」といったネガティブなもの、「びっくりする」「気になる」といったポジティブネガティブどちらともいえないものなど、さまざまです。

◇ 気分・感情の例
<ポジティブ>
うれしい、楽しい、わくわく、おもしろい、喜び、爽快感、いとおしい、懐かしい、落ち着き、穏やか、安心、平和、幸せ、ラッキー、心地いい、すっきり、さわやか
<ネガティブ>
不安、緊張、心配、苦しい、悲しい、つらい、さみしい、悔しい、傷ついた、恥ずかしい、罪悪感、落ち着かない、不信感、憂うつ、落ち込む、イライラ、怒り、無気力、落胆、絶望感、虚無感、喪失感、無力感、むかつく、不愉快、やるせない、うざい、みじめ、ショック

【 実践ワーク4 】 ストレスを感じたときに、自分自身をよく観察して、気分・感情を書き出してみよう。 気分・感情に気づくためのポイントは、自分自身の感覚を深く感じ取ろうとすることです。不快な感覚であってもそこに意識を向け、その感覚にとどまります。また、気分・感情は、いくつかのものが混ざり合っているのが普通です。一種類だけということはまずありません。ポジティブとネガティブ、正反対の感情が混ざり合うこともよくありますし、おかしなことではありません。自分の中で起こっている感覚をよく感じ取ってみましょう。




1.「ストレス・コーピング」とは?2. ストレスに気づく「セルフモニタリング」3.「ストレスの元」を書き出そう4.「自動思考」を書き出そう5.「気分・感情」を書き出そう6.「身体の反応」を書き出そう7.「行動」を書き出そう8. モニタリングの結果をまとめよう9.「ストレス対処法」を考えよう10.「ストレス対処法」の例11.「ストレス対処法」を考えるコツ12.「ストレス対処法」のレパートリーを増やすコツ13.「サポートネットワーク」を創る14.「コーピング日記」をつけよう