ストレスとうまくつきあう「ストレスコーピング」( 1ページ/全14ページ )


「ストレス・コーピング」とは?


「ストレス」の無い人はおそらくいないでしょう。社会の中で人と関わって生きている限り、自分の思い通りにならないことは少なからずあるからです。

近年は特に「ストレス」や「心の健康」に人々の関心が集まっています。テレビや雑誌などのメディアで、うつやストレスについての特集が組まれるようになったことが影響しているのでしょう。

2014年に労働安全衛生法が改正され、企業は従業員のストレスチェックを行うことが義務づけられました。アメリカやヨーロッパでは日本よりもずいぶん前から企業や学校でストレスに対処するための取り組みが行われています。昨今、話題になっている認知行動療法やマインドフルネス瞑想などがその例で、それらは医学的にも有効性が認められています。実際に現場でも上々の効果をあげているようです。


1980年代、アメリカの心理学者R.S.ラザルス博士は「ストレス・コーピング(stress coping)」という概念を考案しました。「ストレスへの意図的な対処」を意味する心理学用語で、現在では認知行動療法の技法のひとつという位置づけです。(英語の「cope」には、困難なことに対処する、うまくやっていく、という意味があります。) 「仕事でミスをした」「友達に約束をドタキャンされた」など、何らかのストレスを感じたときに、人はいろいろなやり方でストレスを発散(解消)しようとします。たとえば、家族や同僚、友人にグチを聞いてもらう、飲みに行く、カラオケに行く、寝る、好きな音楽を聴く、おもしろい動画を見て笑う、など。このようなことを「自分のために」「意図的に」行えば「ストレスコーピング」になります。

ストレスコーピングは単なる気分転換やうさ晴らしではありません。ストレスコーピングの目的は「ストレスと上手につきあっていくこと」です。そのためには、まず自分が何に対してストレスを感じているのかを観察し、自分の考えや気分、行動に気づき、その上で適切なコーピングを選択する必要があります。「自分自身のことをよく観察し、十分に理解したうえでストレスに対処する」という点がストレスコーピングの特徴であり重要なポイントです。

ストレスの感じ方に個人差があるように、効果的なコーピングの方法も人によって様々です。また、効果的なコーピングを行ったとしても、ストレスが完全にゼロになることはないことを理解しておくことも大切です。コーピングをしてストレスが半分にでもなれば「御の字」くらいに考えていると、ストレスとうまく付き合っていくことができるでしょう。 実際にはいくつかのコーピングを組み合わせて行うことで、よりストレスを軽減できるようになります。




1.「ストレス・コーピング」とは?2. ストレスに気づく「セルフモニタリング」3.「ストレスの元」を書き出そう4.「自動思考」を書き出そう5.「気分・感情」を書き出そう6.「身体の反応」を書き出そう7.「行動」を書き出そう8. モニタリングの結果をまとめよう9.「ストレス対処法」を考えよう10.「ストレス対処法」の例11.「ストレス対処法」を考えるコツ12.「ストレス対処法」のレパートリーを増やすコツ13.「サポートネットワーク」を創る14.「コーピング日記」をつけよう