脳科学から見た「やる気」の出し方


脳科学から見た「やる気」の出し方

・ダラダラするから「やる気」が出ない
・脳はエネルギー消費量が大きい
・脳には「さぼる」機能がついている
・「行動」することで「やる気」のスイッチが入る
・やる気が出なくても10分間は続けてみよう!
・テレビはやる気を削ぐ機械
・疲れを感じたら休息をとる
・息抜きは「仮眠」と「散歩」がおすすめ
・「やる気」は気分に左右される
・できるだけ小さな作業に分解する
・ひとつの作業に集中する



■ ダラダラするから「やる気」が出ない?

仕事、勉強、家事、やらなければならないことがたくさんあるのに、ダラダラとテレビを見たり、インターネットをしてしまう。 時間ばかりが過ぎて焦りを感じるけれども、やる気が出ない、なかなか手をつけられない。追い込まれないとやれない、そんな自分が嫌になってしまう。。。

これは自分の性格だからどうしようもないと諦めていませんか? 脳科学の研究からは、「ダラダラ過ごしていれば、いつまでたってもやる気が出ない」ことがわかっています。どうすれば「やる気」を起こせるのか?脳科学の観点から見てみましょう。



■ 脳はエネルギー消費量が大きい

脳という器官は、体重の2パーセント程度の重さしかないにも関わらず、体全体の20パーセントものエネルギーを消費します。囲碁や将棋のプロ棋士は、一回の公式戦で2~3キロ体重が落ちるともいわれています。脳は他の臓器と比べ、エネルギー消費量が非常に大きいのです。



■ 脳には「さぼる」機能がついている

体の他の臓器もエネルギーを必要としますから、大食漢である脳にばかりエネルギー供給するわけにはいきません。そのため、脳には、外からの「刺激」が少なければ活動を抑制するという「省エネ」の機能がついています。「やる気が出ない」というのは、脳の活動が低下し「省エネモード」になっている状態といえます。いわゆる「さぼる」という機能が脳には備わっているのです。食料が簡単に手に入らなかった時代を生きながらえてきた人類にとって、脳のエネルギー節約機能は生命を維持するためにとても重要な機能だったのです。



■「行動」することで「やる気」のスイッチが入る

やる気を起こしたければ、省エネモードになっている脳のスイッチを通常モードに切り替えなければいけません。何がやる気のスイッチになるか?それは脳への「刺激」です。 やる気を起こすための脳への「刺激」はいくつかありますが、そのうちの2つをご紹介しましょう。


やる気スイッチ(その1)
一つ目は、行動することによる「状況の変化」です。自主的に行動したときの、目に見える変化、もしくは結果のことです。たとえば、部屋の片付けをすれば、当然、部屋の様子(状況)は変わります。そのような自分にとってプラスの変化、成果が、脳のやる気のスイッチを入れるのです。


やる気スイッチ(その2)
二つ目は、体を動かすことによる「感覚的な刺激」です。体を動かすとやる気が起こるのは、やる気に関わる脳の器官(大脳辺縁系にある淡蒼球、側坐核、線条体など)が運動と感情の両方の機能を担っているからです。脳の構造から、運動とやる気は密接に関係しています。



■ やる気のエンジンが始動するのには少し時間が必要

要するに、キーワードは「行動」です。「行動すること」で脳が活性化し、やる気が起こるのです。多くの人は、部屋の片づけや掃除を始めたら、だんだんと気分が乗ってくる、といった経験があると思います。これは、ドイツの精神医学者クレペリンが発見した「作業興奮」という脳の現象によるものです。 作業興奮の状態にあるときは、側坐核などが活性化し脳内は興奮状態になっていますが、その状態を作り出すためには、最低10分程度、継続した脳への刺激が必要といわれています。



■ やる気が出なくても10分間は続けてみよう!

勉強や仕事、片づけなどのやる気が出ない時、無理に気持ちを奮い立たせようとしてもやる気はでません。とりあえず簡単なこと、好きなこと、やりやすいことからやろうという軽い気持ちで始めるのがポイントです。勉強や仕事の事務作業、散歩、軽い運動、掃除、片づけ、何でもかまいません。大切なことは、「やる気が出るまで待つ」のではなく、やる気が出ないままでも、とにかく「何か行動を始める」ことです。そして、10分間程度は気分に流されず作業を続けてみましょう。



■「テレビ」はやる気を削ぐ機械

目から入る光(情報)は脳への刺激になりますが、テレビを見ることで「やる気」は起こらないことがわかっています。完全に受け身で入ってくる情報は側坐核の刺激にならないからです。バラエティー番組などは、派手な演出と効果音でいかにも脳に刺激を与えそうですが、じつは、長時間見れば見るほど、やる気・意欲が低下することがわかっています。脳の機能、特に前頭葉の機能に悪影響を与えます。ダラダラとテレビのスイッチを切れなくなっているとき、脳の活動は低下しているのです。 ですから、息抜きにテレビを見るのは全くおすすめしません。時間を無駄に取られるだけでなく、やる気までなくなってしまうからです。人生を有意義に過ごすためにも、テレビをアンテナにつながずコンセントも抜いておくのが賢明でしょう。



■ 疲れを感じたら休息をとる

側坐核もからだの一部ですから、興奮状態が長く続くと疲れてしまいます。質の高い作業興奮の状態を保つためには、十分な睡眠、休息をとって脳を休ませることが必要です。疲れたなと思ったら、無理をせず休むことを意識しましょう。



■ 息抜きは「仮眠」と「散歩」がおすすめ

作業の合間の息抜きとしておすすめなのは、「仮眠」と「散歩」です。 疲れで眠気を感じたら、15~30分程度の仮眠をとると良いでしょう。脳にとって最高の休息は「睡眠」です。睡眠中に脳内の老廃物が除去されることがわかっています。短い仮眠であっても、頭がスッキリすることを実感できるでしょう。



■ 息抜きにコンビニに買い物

集中力が途切れたと感じたら、気分転換にコンビニに買い物を行くなど、外に出て「歩く」、もしくは「軽く走る」ことがおすすめです。手足の運動をつかさどっている脳の部位(運動野)は頭頂付近にあるため、歩く(走る)ことで血液が脳の上部まで汲み上げられ、脳全体の血流が増えます。心拍数上昇も手伝って、脳内に酸素が行きわたり、思考がクリアになります。気分転換ができて、頭もスッキリしているので、作業をスムーズに再開ができるでしょう。


■「やる気」は気分に左右される

やろうと思っていることを「ポジティブに考える」ことはとても重要です。「やる気」は気分に左右されやすいからです。たとえば、目の前の仕事に対して、「やることが多すぎる」「複雑で難しい」などと考えてしまうと、「自分にはできない」、「面倒くさい」、「やりたくない」というネガティブな考えが浮かび、やる気がなくなってしまいます。



■ やるべきことをできるだけ小さな作業に分解する

仕事全体を一塊で見ると、その量や複雑さに圧倒されてしまいます。まず、仕事全体を一時間にこなせるくらいの作業内容に細かく分解して、箇条書き(ToDoリスト)にしてみましょう。そうすると、一つひとつはそれほど大変な作業ではないことがわかります。


■ ひとつの作業に集中する

次に、分解した小さな作業ひとつだけに絞って集中して取り組みましょう。他の作業のことなどは一切考えません。脳は「簡単にできる」と思える課題には喜んで取り組む性質があります。逆に、「できない」「失敗する」という恐怖を感じると、無意識のうちに「逃げ出す」行動をとってしまいます。脳が恐怖を感じないようにうまく計画を立てましょう。また、一つひとつの課題を片付けることでその都度、達成感や満足感を得ることができます。ポジティブな感情がさらにやる気を引き上げます。「感情」が人間の行動の原動力になります。ポジティブな感情をうまく作り出すことで「やる気」を高め、楽々と作業をこなしていきましょう。